スノーデン事件により米国が名誉を失い、中国が突如東中国海の防空識別圏を発表し、西側諸国を騒然とさせた。これは米国にとって、名誉挽回のチャンスであるはずだが、いかにこのチャンスを把握するかを見守る必要がある。しかしバイデン米副大統領の発言を見ると、米国がこの得難いチャンスを意識したことが読み取れる。シンガポール華字紙『聯合早報』が伝えた。
中国の防空識別圏を認め、中日両国の危機管理体制の構築を促した。これは米国にとっても最も公平なやり方であり、ソフトパワーを強化するための懸命な選択だ。
まず、防空識別圏は中国の発明ではなく、米国が初めてこれを設定した。防空識別圏の設定の目的は、早期警戒と防衛であり、侵略ではない。南東部の沿海地方は、中国の経済発展地域であり、中国は同地域の防御を強化する必要がある。防空識別圏の設定は、釣魚島(日本名・尖閣諸島)に対する対等な措置であり、危機抑制の実質的な措置でもある。中国の防空識別圏に文句をつけることは、覇権意識と冷戦思考によるもので、公平を欲せず同盟国の利益だけを求める非道徳的な行為だ。これは圧倒的多数の国家から相手にもされないだろう。
次に、中日両国の前の世代は、釣魚島の係争を棚上げにし共同開発を進めるという案により、東中国海は数十年間平和を維持した。このやり方は、領土問題解決の誰もが認める見本だ。しかし日本はこの原則を破り、釣魚島問題を激化させ、世界を懸念させた。仮に日本がドイツのようにファシズムの腫瘍を徹底的に除去し、第二次世界大戦の戦犯を崇めず、周辺諸国に損害をもたらしたことについて心から謝罪・反省できれば、周辺諸国も日本に対してこれほど警戒することはなく、中国の防空識別圏も設定の必要がなくなる。しかし日本で右翼勢力が氾濫し、軍国主義の魂が消えておらず、周辺諸国が日本への警戒を禁じ得ない状況となっている。日本が真珠湾を奇襲した血の教訓を、中国は参考にしないわけにはいかない。ゆえに中国の防空識別圏の設定は、非常に必要なことだ。米国が日本に肩入れすれば、ファシズムを容認し、第二次世界大戦を忘れることになる。