日本メディアによると、日本の「特定秘密保護法」が6日夜に開かれた参院本会議で可決され、法成立の最後の砦を突破した。日本の世論は同法案を強く反対していたが、最終的に法案は可決された。安倍政府が強力に推進し、また、日本の庶民がはっきり理解しておらず関心が低いことにより、十分に阻止できる力が形成されなかった。民衆の同法案に対する警戒は足りないことがよくわかる。
「特定秘密保護法」は安倍政府の権力の強化に直接つながる。同法案は設置されたばかりの国家安全保障会議と合わさり、安倍政府をはじめとする政府の機関が防衛、外交、対テロ、対スパイなどの国家安全保障業務を行う最高権力を持つ機関になることを保証するものである。
法案には次の注目点がある。1つ目は、特定秘密の範囲に指定されている事項が幅広いこと。範囲を設定したが、状況に応じて更に広い範囲に広げることができ、乱用が拡大される可能性がある。2つ目は、行政長官に特定秘密の範囲内の事項を指定する権利があることから、法案は人によってコントロールされる可能性が非常に高い。3つ目は、国家秘密の保護の面から見て、同法案は民衆を幅広く監視、起訴できる。その上、民衆が国が決めた秘密保護事項を議論した場合、逮捕、起訴され、処罰される可能性もある。
これらは民衆の自由に脅威をもたらす。安倍政府による法案の強行採決は、このような一種の新体制を通して日本の現行の憲法を架空のものにし、行政の集権と上層指導者の評価の権利を強化し、世論をコントロールし、公衆と社会の監督の権利を弱め、国の安全を脅かす行為と秘密を漏らす行為に対する行政・司法的な処罰を強化するものである。安倍政府は、戦後体制を変え、日本全体のモデル転換を推し進めるためにここからエネルギーを得るだろう。このモデル転換の方向は、日本の国民だけでなく、東アジアの隣国からも大いに懸念されている。
安倍首相の各場面での発言から、常に戦後体制を変えることを考え、それに向かって歩を進めていることがわかる。この目的を達成するには、国内の政治体制を変える必要があり、安倍政府は戦後に構築された日本の民主体制さえも惜しみなく変え、弱めようとしている。日本の民衆は、安倍首相が誤った危険な方向にどんどん向かっていくのをまだ遮る力と手段があるとはっきり認識する必要がある。中韓などの隣国、米国は警戒し、安倍政府に更に大きな圧力をかけ続けなければならない。
安倍首相は「中国脅威論」を手馴れた様子で操り、中国との島嶼争いを拡大させ、民族主義的情緒を扇動した。これらの手段を通して支持を蓄え、米国からかばってもらおうとしている。日本の民衆が安倍首相の対外的な領土争いにおける強硬的なパフォーマンスに感情を高めることは、非常に短絡的なことである。「特定秘密保護法」は安倍政府が見せた「化けの皮」のようだが、日本の民衆と米国政府に、戦略方針での冒険的な目論見は取り返しのきかない過ちを生じさせる可能性があると忠告したい。(文:周永生 外交学院国際関係研究所教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月10日