「中国のおばさん」の専門性は「ミセス・ワタナベ」に及ばず
「中国のおばさん」は資金規模が大きく横柄で、その高圧的な態度で名は一時世に喧伝されたが、「ミセス・ワタナベ」に比べると専門的投資スキルに欠け、専門的な投資家とは大きな差があった。
この金争奪戦において、「中国のおばさん」が購入したのはそのほとんどが金のネックレスで、それは装飾品であり投資品ではない。多くの「中国のおばさん」が金は家伝のハード・カレンシー(交換可能な通貨)であると信じており、買うことはあっても売ることはなく、安価に購入することは「節約」であり「儲けた」と考える。こうした「買わないと損をする」という発想が「中国のおばさん」を駆り立ててた。逆にいえば投資によって利益を得るという目的意識は不明確なのだ。
専門的にみると、「中国のおばさん」は投資の知識と実践経験が欠乏している。「中国のおばさん」は簡単かつ荒々しい手段で金を購入し、金先物、「金黄金T+D」といったレバレッジ取引は行わず、実物金の高額な売買手数料も考慮せず、ただただ金が安くなったから早く買った方が得という考えだけで行動した。
それに比べ「ミセス・ワタナベ」は長年の発展と伝承を経ており、すでに専門的かつハイスキルな投資グループとなっている。多くの日本の主婦は株や国内外の債券、基金、信託などの投資ルートに関する集中討論を行っており、女性専門に投資講座を開設している証券会社も少なくない。「ミセス・ワタナベ」の中には本を出版しその経験を伝えている人もいる。
さらに、「中国のおばさん」のような単純な底値買い行為は、国際金価格に長期的な影響をおよぼすことはなく、受益者は実物金を販売するゴールドジュエリー販売店だけである。つまり、結果的にみれば、「中国のおばさん」の投資方法は市場価格の方向に大きな影響を与えることは難しい。しかし、「ミセス・ワタナベ」は東京の現物市場の20%~30%の交易量を占めており、過去に何度も円の為替レートを左右する勢力となっている。
投資分野で頭角を出したばかりの「中国のおばさん」が投資専門家の域に達するには、まだまだ長い時間がかかりそうだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年12月28日