日本の公式資料によると、中国のほかに、東南アジア諸国も第二次世界大戦で深い傷を負い、インドネシアでは約400万人が殺害され、ベトナムでは200万人以上、フィリピンでは111万人、ミャンマーでは30万人以上、シンガポールでは15万人以上が殺された。
このような深い恨みがあれば、怒りを露にし、少なくとも厳しく非難しようとするはずである。安倍首相の靖国神社参拝に関する問題で、東南アジア諸国では、一部メディアが道理に合った厳格な表現の社説を掲載したほか、多くの政府は声を詰まらせた。ベトナム外交部だけは、安倍首相の靖国神社参拝に対して、「日本が地域の平和、安定、協力のために問題を適切に処理することを望む」と言葉を濁した。東南アジア諸国は黙り込み、ため息ももらそうとしないのはなぜか。
中国社会科学院日本研究所の高洪研究員は、「東南アジア諸国が考えているのは現実的な利益であり、原則的な是と非の問題をあまり考えていない。『私利のために道義を顧みない』という言葉は、特にフィリピンのような国に対しては全く言いすぎではない」と分析した。高洪研究員によると、戦後、日本は東南アジア諸国に政府開発援助(ODA)を実施し、東南アジア諸国に金を投じる一方で、日本企業の海外発展の道を敷こうとしてきた。このようなやり方で東南アジア諸国を引き込んだ。
外交学院の周永生教授は、「経済協力は手段の1つであり、同時に安倍首相は『価値観外交』を打ち出し、中国脅威論を主張し、東南アジア諸国が南中国海問題で中国を包囲できるように巡視船を供与した」とし、次のように話した。
「実は、日本が提供したのはわずかな利益に過ぎない。これらの援助はただではなく、低金利の貸付として東南アジア諸国に供与されたものである。無償で供与されたのは10分の1だけである。巡視船も貸すという方法で供与された」。
専門家は、日本に殖民統治された東南アジア諸国はわずかな利益のために原則的な是と非において混乱してはいけないと見ている。日本の右傾化を許せば、これらの国が被る損は得よりも大きくなるに違いない。周永生教授は、「東南アジア諸国が正義ある立場を示さず、地域協力を主導したいというのは、口で言うほど容易なことではない」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年1月6日