ヘーゲル米国防長官は4日、小野寺五典防衛相と電話会談した際に、日本と周辺諸国の関係改善の重要性を強調した。日本のメディア・政治関係者は、米国が安倍首相の靖国参拝問題について、日本側に強い圧力をかけていることを直ちに察した。アナリストは、「安倍政権がこの圧力を解消できなければ、今年のオバマ大統領の訪日スケジュールに影響する可能性がある」と警鐘を鳴らした。「環球時報」が伝えた。
共同通信社は5日、「ヘーゲル氏は安倍首相の靖国参拝が、中韓両国の反対を招くことを考え、この発言に至った。米国務省の報道官はこれまで、本件について失望を表明していたが、長官クラスの高官による直接的な反応はこれが初めてだ」と伝えた。ABCは5日、「米国防長官が日本を批判」と題する記事を掲載し、「米国は参拝問題で失望している」と報じた。
日本メディアは米国務省の報道官とヘーゲル氏の態度に対して、米国は日本と中韓の関係緩和を要求しており、安倍政権に強い圧力をもたらしていると伝えた。日本政府の消息筋は、「本件を適切に処理できなければ、オバマ大統領は今年春の訪日計画をキャンセルする可能性がある。首相官邸は米国からの政治圧力を、これほど強く感じたことはこれまでない。米国政府は失望という言葉により、安倍首相の靖国参拝への態度を表明した。これは参拝に対する失望としても、そして安倍首相本人に対する失望としてもとらえることができる」と語った。韓国の外交関係者は昨年11月、「オバマ大統領は2014年4月に北東アジアを歴訪する予定だ。韓国と日本を訪問する可能性もあるが、具体的な日程については決まっていない」と述べた。
道紀忠華シンクタンク日本支社の首席研究員である庚欣氏は5日、環球時報の記者に対して、「日本のこの懸念は正常なことだ。米国は歴史に逆行しようとしている安倍首相を説得しがたいことを知っているが、それでも中韓および世界に姿勢を示さなければならない。この問題で困るのは米国だ。輿論は日本を批判すると同時に米国を批判しており、日本の行為は米国の放任によるものだとしている。米国は米日韓同盟が瓦解し、自国の北東アジア戦略に亀裂が生じることを懸念している。この厄介事は日本がこしらえたため、日本に圧力をかけなければならない。ゆえにオバマ大統領の訪日延期は、ありえないことではない。しかしながら、日米同盟に実質的な影響が生じることはない」と分析した。
4日付の産経新聞によると、前原誠司元外相は靖国参拝が日本と周辺諸国の関係に及ぼす影響を緩和するため、同日放送されたTBSのテレビ番組の中で安倍首相と閣僚の靖国参拝について、「何らかの方法で14人のA級戦犯を分祀し、外交問題化することを避けるべきだ」と主張した。福井県立大学名誉教授の凌星光氏は5日、環球時報の記者に対して、「日本遺族会会長であった古賀誠氏は2005年に分祀を主張したが、日本の右翼および靖国神社から強い反発を受けたため、実現できなかった。安倍首相が靖国神社を参拝するのは、戦争を美化するためであり、分祀を望んでいない」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年1月6日