セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。美子さんのお母さんは一つ一つその草を指で指し、その効能を教えてくれた。
美子さんのお母さんは七種類の草をすべて洗うと、種類ごとに分けてさっと茹で、その後水に浸して苦味をとった。次にスズシロを薄く切って沸騰したお湯で少し煮込むと、隣でお粥が茹で上がった。「七草粥」の調理は簡単であったが、水と米は1対7、専用の鍋で弱火で1時間「蒸らす」、匙で混ぜてはいけないなど、細かな決まりがあった。「こうしてできあがったお粥はやわらかくて香りがいいのよ」と美子さんのお母さんは言う。
その後細かく切った野菜をお粥の中に入れ、塩と自家製のスープで味を調え、蓋をしてまた数分蒸された。蓋を開けると美味しい「七草粥」の出来上がりだ。
私は試食するように少しだけ器によそってもらった。すると、「草」と蒸しただけであるはずのお粥がなんともいえない香りを漂わせ、口に入れるとお米と野菜の香りが絶妙にマッチしていた。食べ終えると、少し身体がすっきりしたような感覚を覚え、胃の中が気持ちよくなった。
日本でも中国と同じく、正月には皆たくさん食べてたくさんお酒を飲む。そのためこうして「草」を食べることで、胃のを休め、健康を維持する。七草粥に使われる七種類の草はいずれも最も早くに芽を出す植物で、健康効果があり、日本人は七草粥を食べて新しい一年の健康と無病息災を祈るのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年2月3日