日本の安倍首相が昨年末、国際社会の強い反対を押し切り、第二次世界大戦のA級戦犯が合祀されている靖国神社を強硬に参拝したことで、日本と周辺国の関係を緊張させただけでなく、日米関係にも亀裂が生じた。日本のメディアは今年4月のオバマ大統領の訪日前に日米のぎくしゃくが解消されるのか未知数と心配している。
米国政府が安倍首相の参拝を批判する中、安倍政権内部でも米国に対する不満感情がくすぶっている。衛藤晟一首相補佐官が米国批判の発言を発表し、問題となった。衛藤氏は発言を撤回する意向を示したものの、安倍政権の関係者の言動から「オバマ政権は中国と韓国に肩入れしすぎている」という本音が浮き彫りとなっている。首相の側近の相次ぐ問題発言はすでに他人の「失言」といえる範囲を超えており、日本政府、特に安倍政権の歴史認識問題に対する本当の態度に米国は疑問を抱き始めている。
日米間の歩調の乱れは実は長い歴史をもつ。民主党政権時代、鳩山由紀夫首相が提唱した「東アジア共同体」は米国を排除し、日米関係に亀裂を生じさせた。
昨年8月に米国がシリアのアサド政権への軍事攻撃を決め、オバマ大統領が日本の支援を求めた際、安倍首相は米国の決定に賛同しない「慎重」な態度を示した。安倍首相のこうした態度は当時のイラク攻撃の「歴史的教訓」を汲んでのこととされている。一方、米国側は電話や直接会談を通じて日本の支持を求めた。安倍首相は国際オリンピック委員会(IOC)総会出席のためアルゼンチンに到着するまで共同声明に署名しなかった。安倍首相のこうした「こだわり」が、日本は米国を信じなくなっていると米国に感じさせている。