通路の外で、記念館の職員はピアノを引き、「永遠の南京――シンドボルグのバラ」を歌った。起伏の激しいそのメロディーは、中国人が日本軍の大虐殺を、シンドボルグへの心からの感謝を忘れていないことを訴えている。
南京市は2011年2月に、シンドボルグの生誕100周年の記念イベントを開催した。また戴袁支氏がシンドボルグを研究した著書『1937−1938:人道と暴行の目撃者――南京の血風を経たデンマーク人』が出版された。
シンドボルグの故郷であるオーフスは2004年12月17日、現地の黄色いバラに「永遠の南京・シンドボルグのバラ」という名を付けた。デンマーク駐中国大使館は南京大虐殺紀念館に、このバラを贈呈した。
和平広場には現在も、この黄色いバラが力強く咲き誇っている。女王は黄色いバラの前で足を止めて鑑賞し、何か思うところがあったようだ。
女王はここで、南京大虐殺の生存者の蘇国宝さんに出会った。今年87歳になる蘇さんは震える声で、「日本軍が南京で大虐殺を実行した際、私はわずか10歳だった。私や家族を含む多くの難民が、シンドボルグが建設に参与した難民キャンプで生活していた。シンドボルグが自ら私にお金と米を渡してくれ、一家は生き延びることができた。この恩を私はずっと心に留めている。シンドボルグに、デンマークに感謝する」と語った。蘇さんとシンドボルグの親族は、現在も交流を続けている。シンドボルグのめいのマリアンナさんも女王と共に南京を訪問し、蘇さんと旧交を温めた。
女王とヘンリク公は和平広場で、和平の木に土を盛り水をやった。また自ら黄色いバラをさし、中国とデンマークの国民の永遠に消えることのない友好を象徴した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年4月28日