唐氏の訪日は、中国の実務的かつ積極的な外交を示している。安倍首相は昨年9月5日、主要20カ国・地域(G20)の第8回首脳会議の控室で、習近平国家主席と会談し、日中関係を改善したいという意欲を示した。しかし安倍首相は本心から希望していたのではなく、中国の首脳との会談を支持率上昇の手柄にしようとしたに過ぎない。安倍首相はその後間もなくニューヨークの演説で、中国対抗は日本の世界への貢献だと発言した。中国と対抗しようというならば、なぜ中国の指導者との会談を迫ろうとするのだろうか?安倍首相のこの手管は使い古され、中国人にはもはやお見通しになっており、安倍首相に中日関係改善を期待する人はいなくなった。安倍首相は中国を強く敵視する政策を繰り返しており、正常な国家関係から大きく離れている。これは世界の人々に対して、中日両国関係の破壊の「罪」は日本側にあると、自ら白状しているようなものだ。
中日首脳の信頼関係をいかに再構築すべきだろうか?これはそれほど難しくない。重要なのは、日本の指導者の誠意だ。安倍首相が本当に中日関係を改善しようと考えているならば、やれることは沢山あるはずだ。中国人は馬鹿ではなく、二枚舌を使えば中国人から信頼を失うばかりだ。安倍首相が先に誠意を見せなければ、中日両国関係に好転の可能性と希望は見えてこない。日本の指導者は発言に責任を持ち、首相在職中に靖国神社を参拝しないことを公の場で認めるべきだ。靖国神社という宗教施設を政治の道具にし続ければ、日本の民族的・伝統的な信仰に対する不敬にもなる。これさえできないならば、日本の中日関係の改善に関する宣伝は、口先だけのでまかせと考えるしかない。中国は日本を含むすべての国に対して真心を持っており、同時に自国の権益を守る強い決心と意志に揺らぎや変化が生じる可能性はない。(筆者:周永生 外交学院国際関係研究所教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年6月6日