しかしながら、中国経済の発展が誰のチーズに手を付けたというのだろうか?これは日本にとって、チャンス、挑戦、危険、パートナーだろうか?日本国内では、この問題を巡る認識に大きな差が存在する。
まず、13億の人口を抱える国は、過去30数年間でかくも大きな成果を手にしたが、その基本的な原動力は、生活を改善し、過去数十年、数百年に渡り世界に遅れを取った状況を変えようとする多くの国民の強い願いによるもので、意識形態や社会制度によるものではない。この意義から論じると、中国経済の発展と進歩は、特定の国を対象とするものでも、その国を追い越すためのものでもなく、当然ながら日本を追い越し脅かすことを目的とはしていない。むしろその正反対で、中国の進歩と発展の過程は、日本との共栄に大きなチャンスと空間を与える。進歩と発展は中華民族の願いであり、歴史の必然でもある。
次に、中国経済は世界経済と相互依存性を持つ。中国はこれにより、平和・協力・ウィンウィン・長期安定の国際環境を必要としている。中国は昨年末、世界の約130カ国にとって最大の貿易パートナーとなった。平和・協力・ウィンウィン・長期安定の国際環境を形成することは、中国の未来の経済発展に直接影響するばかりか、「中国の夢」の実現、地域・世界経済の平和かつ安定的な発展に影響する。ゆえに中国は世界のどの国よりも、平和・協力・ウィンウィン・長期安定の国際環境の重要性を認識している。これは中国が新型大国関係の構築を率先して提案し、隣国との交流における「誠意を持って付き合い、隣国を友好国とする」という方針を強調する理由でもある。中国の経済発展は内的需要によるもので、いかなる国も脅かさない。中国の発展は13億人の中国人に利益をもたらし、地域・世界の共栄のチャンスと原動力をもたらす。
それから、中国の平和的発展の道は基本的な国策であり、また本国の伝統文化、現代の改革による発展そのものの要求である。中国は他国を侵略しないという方針、平和・調和の文化伝統を持つ。中国の発展は平和的な台頭を勝ち取る過程になる。これは中国の確固たる目標だ。中国はどのような国際環境の中においても、平和的発展を全力で勝ち取ろうとする。しかしこれは中国の主観的な願いに過ぎない。米国の学者はかつて、「ある意味、中国を友人とすれば、中国は友人になる。中国を敵とすれば、本当に敵になる可能性がある」と語った。中国が平和的発展を求める過程において、誰かが中国を敵とし、平和に背く手段により中国の発展を妨害しようとしたならば、中国人の意志では事態をコントロールできなくなる可能性がある。中国の歴史において、中国の現代化の歩みを2度も中断させた国は日本しかない。中国は今日、現代化の道を求める上で、日本がパートナーや協力者になり、積極的な作用を発揮することを願っている。中国はより多くの政治リーダーが勇気を出して立ち上がり、世代を超えた友好を宣誓し、これを実行に移すことで、中日二国間関係の既定の、長期的な努力の方向とすることに期待している。