中国外交部の厳正報道官は11日、南京大虐殺と日本軍による慰安婦強制連行に関する資料を、ユネスコの世界記憶遺産に登録申請することを撤回しないと表明した。
中国はこれらの貴重な歴史資料を世界記憶遺産に登録申請することを決定し、日本政府を憤らせていた。菅義偉官房長官は11日に理不尽な抗議をし、中国側に申請を取り下げるよう求めた。
日本がこのように飛び跳ねるほど、南京大虐殺と従軍慰安婦の関連資料の申請の必要性と緊急性が際立つ。
理由は単純だ。日本があの人権を侵害した、非人道的な罪業に満ちた歴史を忘れることを選択したのだから、世界は共にこの歴史を記憶する必要があるのだ。
世界がナチスのユダヤ人に対するホロコーストを忘れることはなく、それゆえにアウシュビッツ強制収容所やアンネの日記など、世界文化遺産・世界記憶遺産が存在する。世界は原爆が人類にもたらした壊滅的な打撃を忘れることもなく、それゆえに広島の原爆ドームが世界文化遺産に認定された。
第二次世界大戦において最も残酷な女性の人権侵害の事実、最も悲惨で非人道的な虐殺の歴史に対して、加害者とその後世の人々は勝手な言い逃れと歪曲をしている。まるでこれら人類の共通の記憶が消えつつあるかのように。
これは新たな人権侵害、被害者、被害民族、その後世の人々に対する新たな精神的な加害であり、また人類の普遍的な良知と基本的な倫理への挑戦でもある。中国の報道官が指摘したとおり、今回の世界記憶遺産への登録申請の目的は、歴史を忘れず、平和を惜しみ、人類の尊厳を守ることだ。