日本の自衛隊海外派遣はこれまで、必要が生じてから特別措置法を打ち出すという方式で行われてきた。だが日本政府は現在、憲法解釈の変更がうまく行ったのを見て、自衛隊の海外派遣の範囲と武器使用権限を拡大するための新法の制定に着手し始めている。環球ネットが伝えた。
与党の意見が反映されたこの新法は、自衛隊が、武装勢力によって攻撃された非政府組織(NGO)や他国の部隊を救助するためにほかの国に赴き、武器を使用して任務を遂行することを可能とするもので、「国際平和協力法」との名称が暫定的に定められている。
日本のこれまでのテロ対策特措法では、自衛隊の海外派遣は非戦闘地域の後方支援に限られていた。新法が成立すれば、自衛隊の活動範囲は戦地に拡大し、輸送活動や水・食糧・燃料の提供、医療活動などを戦地で行えるようになる。
日本政府のこの一連の措置に対し、当事者である自衛隊員はどう考えているのか。日本メディアにこんな記事があった。陸上自衛隊東部方面総監部のある朝霞駐屯地付近で取材した自衛隊員は、居酒屋でビール2杯をあおるとこんな本音を打ち明けた。「政府のいう『限定容認』とか『3要件』とか。現場の人間からすると何のことかさっぱり分からない。机上の空論だ」
店内にいた3等陸曹も口を開いた。「現場で起きることは、紙芝居のような物語ではない。想定外のことが起きたら『限定容認された範囲外だから』と現場を放棄しろとでも言うんですか」。「政治家が今している議論はリアリティーがなさすぎる」
「結局、政局の話でしょう」。30代の2等陸曹が話を継ぐ。安倍首相が2度目に就任した後、著書「新しい国へ」を読んだという2等陸曹は、1990年代のカンボジア国連平和維持活動(PKO)についての「国会の議論と現地の実情は、大きく乖離(かいり)していた」という指摘に目を留め、「海外に派遣される自衛隊を本気で変えてくれるのではと期待」したが、今回の議論には「失望」した。