いい通訳は空気のようなもの 日本語同時通訳蔡院森氏

いい通訳は空気のようなもの 日本語同時通訳蔡院森氏。

タグ: 蔡院森 同時通訳

発信時間: 2014-08-20 13:46:14 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 



 

蔡氏自身も数々の緊張した場面を経験した。2004年のボアオ・アジア・フォーラムで胡錦涛主席の基調講演で同時通訳をしたときのこと。中国国際放送の日本語チャンネルで同時通訳が必要になったが、会議が始まっても手元に原稿が届かない。重要な講演の同時通訳を原稿無しでやるのはかなりのプレッシャーで、今思い出しても、手に汗が出るという。別の通訳にはこんなこともあった。2012年5月の中日韓首脳会議(中国は国務院総理が出席)が北京で開催された。会議終了後、日本側は、胡錦涛主席が野田佳彦首相と李明博大統領と会見をするという知らせを受けたが、日本側の通訳はすでに帰国。このため日本の外務省は急遽、蔡氏に日本側の通訳としての応援を求めた。

会見時間が短かったため、3カ国は1名ずつの同時通訳しか手配されなかった。ところが会議が始まると、中国の胡錦涛主席の使うマイクの音声がブースに届かないというトラブルが発生。蔡氏は中国側の通訳のことを自分のことに心配して、冷や汗が出るほどだった。しかし当の中国側の通訳はあわてることなく、イヤホーンを思い切って外し、会場からの声をたよりに最後までやり通したのである。「ブースの仕事」はスリルに満ちたものだという。突発的なことが起こるのたびに、冷静な対応で解決する蔡氏に、業界の評判はさらに高まった。

 

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