先ほど開かれたASEANと中日韓の外相会談で、フィリピンによる南中国海問題の「三段階」案、米国による南中国海の係争を激化させる行為を自制する案は、出席国から冷たくあしらわれた。日本とフィリピンは南中国海問題に混沌をもたらそうとし成果を収められなかったが、今度は輿論戦で攻勢をかけ、穏やかになったばかりの南中国海情勢を緊張化させようとしている。香港・中評社が伝えた。
この南中国海をかき乱そうとする波は、フィリピンの新参謀長が「南中国海6島客船ツアー」という構想を打ち出し、アキノ大統領がフィリピンの排他的経済水域に中国船が侵入したと発言したことによって生じた。フィリピン軍は客船ツアーについて、客船は中業島、南鑰島、馬歓島、仁愛礁など6島・礁を巡り、「地域の観光業の発展」、「カラヤン市の反映」を促進すると称した。フィリピン軍がこの構想を発表すると、アキノ大統領もこれに応じてムードを盛り上げた。アキノ大統領は8月17日に放送されたテレビ番組の中で、2隻の中国海洋調査船が石油・ガス資源の豊富な「フィリピンの排他的経済水域」に進入したと述べ、中国のこの行為が中比関係を緊張化させると懸念してみせた。
南中国海問題の急先鋒であるフィリピンは、南中国海問題の悪化に熱心に取り組んでいる。フィリピンは南中国海で揉め事を起こし、そこから利益を得ようとしている。この目的を達成するため、フィリピン政府と軍はさまざまな手段により中国を度々刺激し、南中国海情勢の緊張化を促している。
フィリピンのこの手法は、南中国海情勢の安定化を求めるASEANの大多数の国家の願いに背いており、これらの国家と他国の正常な経済・貿易交流に影響を及ぼす。ゆえにフィリピンが南中国海情勢の安定に不利な動きをすれば、ASEAN諸国がフィリピンの側に立つことはない。フィリピンも一人芝居をする道化師になるだろう。フィリピン軍のツアーの目的地には、係争中の島嶼が含まれる。フィリピン軍は観光業の開発により、国際社会の注意を中比の係争中の島嶼に向け、輿論を制し中国に圧力を加えられると判断している。しかしフィリピン軍のこの提案は非現実的であり、国際社会のフィリピンが情勢を悪化させているという悪いイメージを深めるだろう。