安倍晋三首相は8日、スリランカ訪問を終え帰国した。スリランカ訪問前、安倍首相はバングラデシュを訪問していた。先ほどの日印首脳会談を加えると、安倍首相は南アジア主要国の歴訪を完了したことになる。
AFP通信は、「日本の首相の南アジア歴訪は、中国の影響力の相殺を目的としていた。しかし安倍首相の金をばらまき他国の支持を獲得する手段は、メディアから銀弾外交と批判されている」と報じた。
日本国内も、中国との関係を重視する南アジアが、日本側に立つことはないと懸念している。毎日新聞は、「49カ国という記録的な外遊を終えた安倍首相が訪中し、日中首脳会談を実現するかが次の焦点となっている」と報じた。
NHKは8日、「安倍首相は7日、ラジャパクサ大統領と会談し、海洋国家間の新たなパートナーシップを盛り込んだ共同声明を発表した。日本はスリランカに海上巡視船を無償提供することを発表した。海上自衛隊も、スリランカ海軍と合同演習を実施することになった。日本はスリランカの地上デジタルテレビ放送網の整備に約137億円の借款を提供する」と報じた。
AFP通信は、「これは中国の南アジアにおける影響力に対する反撃だ」と指摘した。東京新聞は、「スリランカは伝統的な親日国ではあるが、中国は経済支援により影響力を強めている。安倍首相はスリランカとの海洋安保協力により、インド洋周辺諸国で影響力を拡大する中国を牽制しようとしている」と報じた。
AFP通信はスリランカ大統領府の声明を引用し、「ラジャパクサ大統領は港湾施設の建設のため、日本からの追加投資に期待すると表明した。中国は同分野で主導的な地位を占めており、昨年コロンボで総工費5億ドルの港を建設した」と伝えた。
スリランカは安倍首相の、バングラデシュに続く南アジア歴訪の目的地だ。安倍首相は24年ぶりにスリランカを訪問し、14年ぶりにバングラデシュを訪問した日本の首相になった。安倍首相は6日、ダッカでハシナ首相と会談した。ロイター通信は、「中国が影響力を持つ地域の訪問で、安倍首相は日本が南アジアに興味を持っていることを示そうとした」と分析した。