日本の太田昭宏国土交通大臣は9月22日にインドを訪問し、新幹線の長所を重点的にPRした。モディ首相は9月18日に習近平国家主席と会談した際に、中国がインドの鉄道などのインフラ整備のアップグレードに参与することを歓迎すると表明した。
1960年代以来、時速200キロの新幹線は、世界の高速鉄道技術における成功者だった。しかし中国は近年、最高の時速と最長の総延長距離などの長所により、世界の高速鉄道の版図で独特な地位を占めるようになり、日本の高速鉄道分野における発言権を奪おうとしている。
シンガポールとマレーシアの高速鉄道プロジェクトが来年より入札募集を開始する予定で、これにインドやタイなどの計画中のプロジェクトを含めると、アジア市場の高速鉄道の総延長距離は約1万キロに達する見通しだ。この高速鉄道の祭典に対して、中国と日本は自国の高速鉄道技術のPRを強化している。
現状を見ると、中国は海外での高速鉄道建設で強いコスト力を示している。日本が得意とするのは、列車の輸出だ。しかし中国南車と中国北車の発展に伴い、列車輸出でも中日の競争が不可避となっている。
中国の高速鉄道の長所
中国の高速鉄道の海外進出を促す重要な要素は、政府からの力強い支援だ。建設費を見ると、中国の高速鉄道が最も割安だ。
中国と日本の高速鉄道市場における駆け引きについて、中国鉄路総公司副チーフエンジニアの趙国堂氏は、「各種環境への適応力は日本をはるかに上回り、国際市場で採用されやすい」と指摘した。
国泰君安証券の報告書は、「中国の鉄道建設は世界的にもコストパフォーマンスが高く、特に南米などの市場の開拓が順調だ。将来的には、東南アジア・ロシア市場でさらなる進展が期待できる。鉄道設備の国際市場開拓は、重要な進展を続ける見通しだ」と分析した。
シンガポール東南アジア研究所副総幹事の黄基明氏は、「高速鉄道プロジェクトの地理的位置は、中国にとって有利だ。中国は複数のアジア諸国との間に長い国境線を持つ。これは、隣国との関連性の高い事業を、高速鉄道などの異なる手段と一挙解決できることを意味し、アジア諸国にとって非常に魅力的だ。また中国は日本が提供できない福利を提供できる。例えばアジアインフラ投資銀行を通じた好条件の融資、ASEANなどのアジア諸国に提供する莫大な利益を生むプロジェクトなどがある」と分析した。