アニメキャラクターに関しては、常に一つの誤解がある。人々は、アニメは子供が見るものであり、子供が喜べばそれでよしと感じる。この観点は、一つの問題をないがしろにしている。子供には選択する力がなく、受動的に受け入れるしかない。ゆえに真の意味で定番とされるキャラクターは、子供からも大人からも愛される「国民的アイドル」でなければならない。アニメキャラクターに含まれる文化的意味合い、娯楽の価値と価値観は、すべての年齢層に適していなければならない。この条件を満たしたキャラクターのみが、時間の試練に耐えうるのだ。
アニメの「国民的アイドル」はいかに創造すべきだろうか?これは我々の文化の根に求めなければならない。中国には数え切れないほどの古典の名作、神話、伝説がある。これはアニメキャラクターを生む文化の宝庫である。ハリウッドはパンダを利用しただけで、世界的に好評を博した『カンフー・パンダ』を創造した。中国の作者はなぜそこから教訓を汲み取り、おびただしい数の神話の英雄から、ドラえもんに匹敵するキャラクターを創造できないのだろうか?
アニメの「国民的アイドル」を創造するためには、整ったきめ細やかな産業チェーンの開発も必要だ。質の高い著作権を軸にし、映画、テレビ、ゲーム、書籍、関連商品などを巡り、系統的に創作・生産を行わなければならない。
アニメの「国民的アイドル」を、文字・カード・設計図から実体のある民族のイメージキャラクターにするためには、より高い位置から創作に挑み、市場を通じた活性化を促す必要がある。創作を奨励するため、国家はアニメ産業を力強く支援する政策を打ち出しており、アニメ産業パークやアニメ作品などに補助金や税収などの支援を行っている。理論的には、これはアニメ創作のハード面の強化、一部のソフトの改善を促すはずだが、実際にはそれほど大きな効果が得られていない。『熊出没』の制作者の華強文化は、長年に渡り政府から40億元以上の補助金を支給されている。この情報が報じられると批判が殺到し、これほど巨額の補助金で『熊出没』程度の作品しか創造できないとは、コストパフォーマンスが低すぎると指摘された。
政策による支援を維持するならば、創作者への重視、創作的な思考の奨励をより重視すべきではないだろうか?人材はアニメ制作の中心だ。人材の創作的な思考の飛躍がなければ、その手で作品を創作した人に補助金が支給されなければ、アニメ産業の利益は企業の手に握られるだけだ。アニメ産業の中心的な原動力に火がつけられなければ、アニメの「国民的アイドル」を創造することはできない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年10月8日