日米は8日、日米防衛協力のための指針の見直しの中間報告を発表した。中間報告を見ると、新たな指針の最大の特徴は、自衛隊の活動範囲と任務の極度の拡大、日米の軍事力一体化の深化となっている。
「周辺事態」という地理的制限を削除
中間報告は序文の中で、新たな指針は自衛隊の活動範囲の拡大を検討し、7月1日の関連する閣議決定を「適度に反映」し、日米同盟と日米の軍事抑止力を強化するとした。
日米防衛協力のための指針が初めて制定されたのは1978年の冷戦時代で、「日本の有事」の際の自衛隊と米軍の分業について規定した。現行の指針は1997年に制定され、日米の軍事協力範囲を朝鮮半島情勢など、関連する「周辺事態」に拡大した。
今回の中間報告は、「周辺事態」という地理的制限を削除し、未来の日米防衛協力は日米同盟の「グローバルな性質」を強調しなければならないとした。これは理論上、「需要」があり、米軍がいる所であれば、自衛隊はどこでも活動を展開できることを意味する。日本の政府高官も、「自衛隊は地球のどこでも到達できる」と発言していた。
自衛隊の活動範囲が「グローバル化」すると同時に、その軍事的任務も「量的変化」から「質的変化」に移る。中間報告は、「平時からグレーゾーン事態、緊急事態まで切れ目のない措置をとる」とした。
江渡聡徳防衛相は8日、「新たな指針はまだ中間報告の段階にある。日米は指針の見直しを今後も推進する。年末もしくは年初に発表を予定している最終報告に、中間報告になかった集団的自衛権の行使の範囲、行使の手段に関する具体的な内容を盛り込む予定だ」と語った。