先ほど一部の専門家から、「日本が軍国主義の古い道に戻ることはなくなった」とする観点が示された。その論拠はある程度正しいが、観点全体を支えるには不十分だ。
現在の日本の軍国主義的な傾向は、第二次世界大戦の当時と大きく異なっている。日本の中国侵略、太平洋戦争発動時の、国家総動員という軍国主義の形態が出現することはなくなった。しかし中国はその表面的な形が変化してはいるが、本質的な軍国主義の思想と手法が残されていることを警戒し、それが世界の制御と圧力を受けない状況下、軍国主義の「変種」に発展することを防がなければならない。安倍首相が誇張している「積極的平和主義」の「積極的」は、同じ魂を宿した「異形」である可能性が高い。
毛沢東、周恩来、鄧小平ら歴代首脳の努力により、かつては中日友好が主流だった。日本にも当時、物の分かる行動派の政治家がいて、日本の中国侵略を悔いていた。しかし今日、日本政府の挑発と宣伝により、日本国民の中国に対する好感度が急激に低下しており、一部の人は中国の台頭に危機感を持っている。この状況の中、日本の軍国主義復活に適した雰囲気と土壌、すなわち温床が形成されようとしている。軍国主義にしがみつく「ごく一部」の右翼分子が単なる一般人ならともかく、政権を掌握している安倍政権は日本を大幅に右傾化させようとしている。この流れは、日本社会の保守派の右傾化と一致している。台湾の独立分子は政権を握らなければそれほど大きな波を起こせなかったが、陳水扁が総統に就任すると、台湾の独立支持者は過半数に達した。ゆえに、日本が古い道を歩まないと安心できる理由はない。