米国は日本に肩入れし、日本を放任することで、問題をより複雑にしている。米シャーマン国務次官はカーネギー国際平和財団での講演で、日本が国際法を支持し、海外の発展に多大な貢献を成し遂げたと大げさに称賛した。さらに日本と中韓の歴史問題への認識に「食い違い」が存在することにわざわざ言及し、中韓の歴史的な責任の追及は「自国の歴史の殻に閉じこもってはならない」とほのめかした。
日本の一部の人間がいかに歴史を美化しようと躍起になり、米国がいかに積極的に日本の罪の責任逃れに力を貸しても、国際社会(特にアジアの隣国)が日本が「加害者」であることを忘れることはない。安倍政権の現在の行いは、戦争で苦しみをなめ尽くした隣国を刺激し、被害国の国民感情をいっそう傷つけるばかりだ。隣国は日本の発展に懸念を深め、対日関係の今後を不安視する。日中・日韓関係の好転の契機は、これによって損なわれるだろう。
2015年にこの歴史問題の溝を乗り越えられるか否かは、日本の隣国との関係改善の鍵になる。これはまた、日本が邪心を制し、歴史の束縛を振りほどき未来を見据えるための基礎になる。(筆者:蘇暁暉 中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月3日