日本製造業の強みを徹底分析 消費者の信頼の源泉とは

日本製造業の強みを徹底分析 消費者の信頼の源泉とは。

タグ: 炊飯器 爆買い 日本製 

発信時間: 2015-03-03 15:44:11 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

小型の家電製品はかつて中国が得意としたものであった。しかし今では、中国の消費者は同じ値段ならば日本製の中クラスの機種を選ぶ。また中国製の高級機種に目が向くことはない。しかし日本製品なら価格が1万元以上であっても高級機種を買う。なぜ日本製はそれほど人気があるのだろうか。 

日本では実際1万元を超える炊飯器は少なくない。象印、タイガー、パナソニックなどはそれぞれ自社の最上級モデルを持っている。値段が4万元を超える製品もある。かつて東芝で炊飯器の開発に従事した経験もあるこの道の40年の専門家である宮口淳一氏は「日本では競争が激しく、各社とも自社の戦略を持っている。他社の製品を真似することはまずなく、各社とも自社のコア技術を持っている」という。

実際、炊飯器だけでなく、高級製品は日本のブランドにとって不可欠なものである。かつては“安い”ことが売りだった日本車も例外ではない。ホンダや日産、トヨタは値段の安い車を作っているが、同時に各社とも最高級車であるアキュラ、レクサス、インフィニティを製造している。このような戦略は一般に「グランドデザイン」と呼ばれるが、こうした高品質や技術能力を示す高級化路線に、消費者は自然と信頼を寄せるのである。

コストパフォーマンスからの脱却

中国製品はこれまで『大と強』を目指してきた。しかし多くの消費者にとって小型の家電製品は薄利多売の代名詞と思われていた。その小型家電が隣国で1万元以上の値段で販売され、しかもそれを購入しているのはほかでもない自国の中国人である。こうした現象に中国メーカーは赤面をせざるをえないのは当然だろう。なぜこうなったのであろうか。 

中国の家電売り場を見渡すと、ほとんどが価格の安さを謳っている。販売員も「消費者が気に入るのは値段の安さとコストパフォーマンスなのです」という。長期間、中国製品は安さを武器に、世界シェアを広げてきた。しかし、その実態は中国で製造加工されたものが海外ブランドの名前で高く販売されていたのである。そして中国製品は中国人からさえも低く見られた。 

こうした低価格路線の後遺症のひとつとして、技術開発の投入不足がある。中国の企業の中には海外企業の製品をコピーする企業もあり、研究開発をしたくともその力がなかった企業もあった。やがてその悪循環により、中国製品は低価格であり、中国の工場は外国企業の外注工場という位置づけになった。そして外国企業は、品質と技術に加え、『信頼のブランド』という名で中国人の顧客をしっかりと握ったのである。

信頼のブランド作りは日々の積み重ね

多くの消費者は海外旅行をするとわけもなく外国製品をありがたがる気持ちになる―という見方もできないことはない。しかし中国人の生活レベルや購買力も上昇し、ただ安いというだけでは消費者のニーズを満足させることができなくなってきていることも確かである。品質がよく、さらに信頼性があれば中国の消費者は値段が高くても買うであろう。安さだけを売りにした生産戦略に大きな課題が突きつけられたと言えるかもしれない。 

中国製品の歴史はまだ浅いので、このようなことはある程度仕方がないのかもしれない。しかし怖いのは実際には技術がしっかりしているにもかかわらず、中国製品に“安かろう悪かろう”というイメージが定着してしまうことである。中国企業はこんご地道な努力と改善を続けていくしかないのである。信頼のブランドは1日にしてならず、である。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年3月3日

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