訪日中国人観光客は昨年、前年比84%増の241万人に達した。この数字は人々に疑問を起こさずにはおかない。日本の安倍晋三首相が侵略の歴史を否認し、謝罪を拒否していると一方で、世界が反ファシズム戦争勝利の70周年を記念している今年、中国人はなぜ日本観光に行きたがるのか。中国日報社と日本言論NPOが共同で実施した第10回となる「中日関係世論調査」によると、93%の日本人は中国に対する印象を「良くない」とし、ここ数年は日本人の多くが中国に「行きたくない」としている。(文:趙宏偉。日本政法大学教授、中国人民大学重陽金融研究院高級研究員)
観光心理学によれば、観光とは「美」を探しに行くことである。観光客の多くは旅先で「美」を探そうと躍起になり、多くの「美」を見つけて友人に「行った価値があった」と語る。日本を訪れた観光客も同じように美しい風景を見つけることはできるが、幻滅することも多い。
日本の景色は美しいか。素朴で華やかなところのない富士山は、世界自然遺産申請で何度も落選した過去を持つ。東日本の海岸の灰色の砂浜を眺めてロマンチックという人はいないだろう。太陽の輝く砂浜は「琉球」にしかない。東京はどうか。道は狭いし、家々は計画性やスタイルを欠いている。銀座の大通りは活気に満ちているようにも見えるが、デパートの建築は倉庫のようなものにすぎない。京都や上海、広州、蘇州、杭州、香港などと比較にもならない。
日本の美食はどうだろうか。刺し身や神戸牛に舌鼓を打つのもいいだろう。日本滞在30年になる筆者の経験によれば、名店に行くとすれば、中国各地の日本料理の名店でも同じくらいおいしいものが、同じくらいの高い値段で食べられる。日本では名店以外は、米は一番安い米だし、野菜は中国からの輸入物、肉は米国や豪州、カナダからの輸入物である。中国人は日本では安全に食べられるだろうと信じているかもしれないが、とんでもない間違いだ。米国の肉には成長促進剤のラクトパミンが入っている。米国ではこの化学物質が合法だからだが、米国は日本にこれを合法だと認めさせ、無理やりその肉を買わせている。また日本の専門家が明らかにしたところによると、昨年1月に台湾地区に輸出された日本の農産物のうち、基準を超えた農薬が24件で検出され、送り返された。