侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館が発表した情報によると、すでに開示されている公文書の記載、731部隊元隊員の証言などの内容から、第二次大戦中に少なくとも93人の旧ソ連人が同部隊の人体実験に送られており、被害が中国人に次ぎ2番目に深刻であったことが判明した。
同陳列館の金成民館長によると、この93人には当時の731部隊の元隊員の記憶、裁判中の証言に出てくる77人と、『特別移送』の公文書に記載されている16人が含まれる。そのうち氏名が明らかになっているのは9人。一部はノモンハン事件の捕虜、中ソ国境地帯で諜報活動の担当者、当時ハルビンで生活していた無辜の一般人(女性や子供が含まれる)となっている。
731部隊がかつて中国で行った、非人道的な人体実験の罪を明るみに出すため、ハルビン市平房区に位置する同陳列館の研究者は10数年に渡り、各地の公文書館の調査・研究を行うと同時に、民間に保管されている公文書を収集し続けている。
金館長によると、当時731部隊に「特別移送」された旧ソ連人は、主に「保護院」に収容されていた。「保護院」は日本の情報機関が管轄する、「越境入満者」を調査・管理する特務機関で、旧ソ連、モンゴルの捕虜を収容・拘禁していた。
731部隊とは、抗日戦争中の日本軍で生物兵器・細菌戦および人体実験に関連する研究を行っていた、秘密の軍事・医療部隊の別名だ。本部はハルビン市平房区に置かれていた。中国人、旧ソ連人、モンゴル人、朝鮮人を含む3000人以上が、731部隊の細菌実験および人体実験で死亡した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月11日