安倍談話はほぼ成功したと言える。安倍首相はバンドン会議60周年記念演説で自らの歴史観を示し、その後さらに米議会で演説した際にこれを再確認した。4月29日の米議会演説では侵略の歴史と慰安婦問題の謝罪を拒み、「我々の行為がかつてアジア諸国の人々に苦しみをもたらしたことを否定できない。私は歴代首相が示した観点を継承する」と強調するに留まった。
アジア、米国、さらには連立与党の公明党の圧力を受け、安倍談話が政府から承認を得ていないことに注目が必要だ。安倍談話は最終的に、私的見解として発表される可能性がある。安倍談話が「安倍の談話」になれば、かえって安倍首相の頑迷な立場が浮き彫りになる。その右翼的な理念と個性から見て、安倍首相の酒に酔った後の発言は、まさに本音だったと言える。
政治家は公私で2つの顔を持つ。スポットライトを浴びる場では欺瞞に満ちた政治ショーを演じるが、プライベートで吐いた暴言や酒を飲んだ後の本音は、その人の本質を示す。
確かに、政治家の公の場での発言と、私的な立場が一致するとは限らない。しかし北東アジア関係の混乱、さらには危機を引き起こしている安倍首相は、中韓両国との正常な関係を取り戻したければ、言行を慎むべきだ。菅義偉官房長官は6月30日、安倍首相の「本音」の消毒を行った。菅長官は安倍首相の「本音」を掲載した記事についてコメントを控え、安保関連法案が「特定の国」を狙いとするものではないと強調した。しかしこれは消毒に過ぎず、中日・韓日の間で長期的に蓄積されてきた不信感を解消できない。6月30日付の中央日報が指摘した通り、この記事の信憑性については証明できず、反応する必要もないが、日本政府は必要な時期にこれに関する立場を表明するべきだ。
日本政府の立場と安倍首相の立場を切り離し、「本音」の消毒を行い、安倍談話を「安倍の談話」に格下げしたとしても、首相という身分を切り離すことはできない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年7月2日