玉音放送の原盤、歴史の回顧を促す
新華社の日本駐在記社である馮武勇氏は、「当時は戦争が終わったばかりで、終戦の詔書の多くの内容は、日本が発動した侵略戦争を正確に認識していなかった」と指摘した。日本の学者によると、終戦の詔書は米英と「4年間」交戦したとしており、中日戦争および日本のアジアにおける植民地支配と侵略の歴史にまったく触れておらず、かつ日本の戦争発動は東アジア諸国の解放が目的だったとしている。これらの内容はその後、日本の右派に利用され、日本の歴史修正主義の根源の一つになった。
今回の「玉音放送」の原盤の公開は、日本国内で再び物議を醸している。
ある専門家は、原盤は再び人々に対して、日本は戦争発動という同じ間違いを二度と犯してはならないという警鐘を鳴らすと述べた。日本大学の歴史学者の古川氏は、この録音は「あの間違った戦争を終わらせるために何をしたかを、人々に再び伝えている」と話した。
一部の右翼メディアはこの録音を借り、昭和天皇が日本を救うために下した「聖断」を称賛している。多くの日本人はこれについて、昭和天皇を中心とする勢力が、7月に発表されたポツダム宣言を直ちに受け入れなかったことから、広島と長崎に原爆を投下されたと指摘している。
馮氏は、「昭和天皇の『聖断』が日本の滅亡を回避したと賞賛する日本人が増えている。日本では今月8日、終戦の詔書の作成の前後に関する状況を物語る映画が公開される。その基調も、昭和天皇の当時の決定を賞賛する内容だ」と話した。
日本の多くの学者が、この傾向への警戒を促している。「村山首相談話を継承し発展させる会」は以前、日本の歴史修正主義者が侵略の歴史を美化・歪曲するのは、戦後日本が天皇の戦争責任を正確に認識し追及できなかったことが根本的な原因だと指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年8月4日