米アビエーションウィーク&スペーステクノロジー誌(電子版)は8月20日、「離島は日本の防衛戦略の軸」と題した記事を掲載した。筆者は同誌アジア太平洋地域担当編集者のブラッドリー・ペレット氏。記事の要約は下記の通り。
中国に立ち遠くを眺めると、日本からインドネシアまで連なる島嶼は一枚の壁のように、太平洋に入るルートを塞いでいる。この第一列島線と呼ばれる島嶼のうち、沖縄と台湾の間に位置する日本領の島嶼は、壁を取り払い遠洋に進出したい中国の戦略家にとって、別の意味を持つことだろう。これらの島嶼間の距離は比較的近く、面積も狭いため、大規模な地上防衛部隊を配備できない。
中国の戦略家は、その一部の島嶼を奪うことで局面を打開しようと考えているだろう。第一列島線の一部の島嶼を、外国の勢力が東中国海に入る際の壁にするのだ。日本もこの状況を想定したことがあり、これらの離島防衛・奪還が防衛政策の軸となっている。水面に浮かぶ岩礁の具体的な用途については正式に議論されたことがないが、対艦・対空ミサイルやレーダーを設置する絶好の場所だ。しかもすでにレーダーやソナーが設置されており、中国の動きと通信を監視している。
中国は日本の釣魚島(日本名・尖閣諸島)の主権を否定しているが、日本の防衛アナリスト、自衛隊OBの香田洋二氏は、これらの島嶼の戦略的な重要性を否定した。日本の防衛の中心となるのは、沖縄まで北に連なるが、本州から離れ防御しやすい島嶼だ。
日本には離島防衛という戦略の軸と関連する、少なくとも4件の武器導入計画がある。日本のこの戦略の軸は、冷戦時代の軸(北に軍隊を派遣し北海道を守り、ソ連を警戒する)と異なっている。資金を調達し新たな方針を支えるため、自衛隊は近年、特に装甲部隊の縮小に取り組んでいる。