安倍首相は11日の参院平和安全法制特別委員会で、パン・ギムン国連事務総長が中国の抗日戦争勝利70周年記念式典に出席したことに対し、「きわめて残念」と不快感を示し、国連はある特定の立場に寄り添うべきではないと強調した。また、国連事務総長に対し、未来に向かうことを加盟国に促し、特定の歴史の焦点に合わせることをやめてほしいと述べた。
中国の抗日戦争勝利記念大会からすでに1週間以上が過ぎたが、パン・ギムン国連事務総長の出席をめぐる騒ぎは依然として日本で続いている。日本の官房長官や外務省は何度も「中立」を呼びかけ、自民党外交経済共同本部はこの件について国連に抗議の文書を出すことを決めた。
安倍首相の11日の発言により、日本での抗議はさらにエスカレートした。国連事務総長への非難は、現代の国際関係において珍しいケースである。日本が執拗にパン事務総長を非難することは、安倍首相や安倍政権の気が小さく、日本の侵略問題について基本的な良識を持っていないことを物語っている。
安倍首相は11日の談話で、パン事務総長の中国への「肩入れ」を批判したほか、中国にも矛先を向け、「未来に向かう積極的な姿勢」を見せるべきだと指摘した。
安倍氏のこうした非難は根拠のないものである。
中国は戦勝記念大会において、歴史を銘記し、烈士を偲び、平和を大切にし、未来を切り開くという中国の国民の決意を大いに示した。
パン事務総長が訪中したのは、歴史と現実を結びつけ、歴史を振り返り、未来に向かうためである。国連総長として、パン氏には責任感と正義感があり、これは「中立」を守るという問題ではなく、歴史問題で公正と正義の立場に立つことである。
国連はまもなく設立70周年の節目を迎える。9月下旬に国連大会に出席する安倍首相が講壇でどのような姿勢を示し、日本のどのようなイメージを国際社会に向けてアピールするかが日本の今後の道のり、隣国や国際社会からの信頼にかかわってくる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年9月14日