日本とインドの両国はこのほど、インド初の高速鉄道建設プロジェクトで日本の新幹線方式を採用する合意を達成した。ある国外メディアはこれについて、インドの高速鉄道の受注成功は日本にとって、「2カ月前にインドネシアの高速鉄道で中国に敗れた恥辱を晴らすものとなった」と伝えた。中国では、企業関係者から庶民にいたるまでこれを残念がる声が広がり、日本に不満を言う人、インドに不満を言う人、中国の関連部門の「不甲斐なさ」に文句をつける人などが続出した。(文:魏建国。商務部元副部長、中国国際経済交流センター事務局長)
高速鉄道を受注できなかったことを残念がる人々の気持ちはわかる。だが失望しがっかりしながらも、競争相手に拍手を送り、これをほめたたえていけないということはない。公平な国際ルールの下で、法を守り、規則を守って勝った相手ならば、その成果にはむしろ拍手を送るべきだろう。
我々は現在、起業や革新という大きな流れの中にいる。開放されたこの空間においては、我々の創造や発明は常に他人に先を越される可能性がある。遅れを取ったり失敗したりすれば様々な感情が生まれるのは仕方がない。だが他人の進歩を直視し、他人に喝采を送り、追いつけるようまた努力するというのが健全な態度であり、そうしてこそ中国の革新の波を一層高めることができるのではないだろうか。
相手に拍手を送るということは、「革新・協調・グリーン・開放・共有」という5大発展理念のために必要なことであり、世界が利益共同体・運命共同体・責任共同体を実現するために必要なことでもある。日本が確かにその長所を持つことは認めなければならない。インドの原子力発電やインフラの門はまだ中国に開かれているのであり、我々はさらに努力を重ね、奮闘しなければならない。中国の海外進出の歩みが進むに伴い、インドの高速鉄道のようなことはこれからも起こるだろう。他人やほかの地域、ほかの国に先を行かれたという時こそ、我々は、自らを強くすることは可能だと信じ、相手に対して心から喝彩を送るべきだ。責任ある態度と自らの力への自信、他人に一時的に先を越されているということを認める勇気によってこそ、我々はさらに強くなろうと奮起し、追いかけていく力を得ることができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年12月18日