事故の調査も思うように進んでいない。調査を予定しているエリアの除染が行われているものの、放射線量が下がらず、東電は、2号機の原子炉の真下にロボットを投入して、溶け落ちた核燃料の状態を調べる予定だったものの、実施のめどが立たない状態が続いている。報道によると、ロボットを投入するためには、投入口付近の放射線量を毎時100ミリシーベルト程度にまで下げなければならない。しかし、東電は除染を続けているものの、放射線量は毎時500-8300ミリシーベルトと、非常に高い状態が続いている。
一方、事故によって汚染された地域の除染作業は8割以上完了した。しかし、作業で発生した除去土壌や廃棄物は、行き場を失っている。日本の環境省の井上信治副大臣は最近、除染で出た福島県内の汚染土などを保管する中間貯蔵施設の整備を始める方針を明らかにした。ただ、計画中の施設は16平方キロになるものの、土地所有者が懐疑的でこれまで取得できた土地は1%に満たないという。
筆者が最近、事故の被害を受けた地域を取材してみると、汚染した土が入れられた黒のビニール袋が村のあちらこちらに置かれていた。また、全員が避難した村は、避難命令が解除されたにもかかわらず、福島の農産品はイメージが大きく落ちたため、農業生産の回復のめどが立っていなかった。