シャープ買収案から見る日本企業の経営状況

シャープ買収案から見る日本企業の経営状況。

タグ: シャープ買収案 日本企業 経営状況

発信時間: 2016-04-08 15:42:03 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

台湾鴻海精密工業公司の郭台銘・董事長とシャープの高橋興三社長は大阪で2日、鴻海が3888億円(約34億4千万ドル)でシャープを全面的に買収することで正式に合意した。シャープの長年の経営戦略を振り返れば、この状況に至ったのは必然だったと言える。

第一に、経営陣の無責任体質によって問題が山積することとなった。初代・2代目の創業者が前進を恐れない大胆な精神にあふれていたのに比べると、その後の経営陣はすべてを集団での協議に委ね、経営陣の各人は責任を負うことを恐れるようになった。結果的に、物事を進めるのが先延ばしとなり、決定が遅れ、商機を失うこととなった。技術によって発展したシャープは本来、「革新のDNA」にあふれているはずだったが、近年は注目される製品もほとんどなくなっていた。技術チームは省エネ型液晶パネルなどの先端技術を開発していたが、商品化の実現は遅れ、企業経営は毎年赤字となった。本社ビルの売却を余儀なくされただけでなく、もしも3月31日に鴻海が支払った1000億円の保証金がなければ、シャープは5100億円の銀行債務の返済期限を迎え、破産の縁に立たされるところだった。交渉段階で郭台銘氏が「日本人は物事を決めるのになぜこんなに時間がかかるのか。自分の会社を救おうと本当に思っているのか」と詰め寄ったとされるのもうなずける。決断力の欠如は、創業42年の鴻海が104年のシャープを飲み込むことになった真の原因と言える。

第二に、問題を隠蔽する体制的な欠陥によって、後戻りできないほどに困難が山積することとなった。企業の各経営部門は困難を避けて通り、問題を先送りし続けた。鴻海による買収交渉がほぼまとまって2月26日に合意締結することになっていたが、これを目前にした2月24日にシャープは突然、最大で3500億円に達する潜在的な財務リスクが米国にあることを鴻海にファックスで告げた。シャープ側はこの時、すでに矢を弓にかけていた鴻海が後戻りをすることはないと考えていたのだろう。だが鴻海は合意へのサインを遅らせ、ただちに弁護士と会計士を派遣して改めて帳簿を調べた。3月末にはさらにシャープの年間営業損失が1700億円にのぼることも明らかになった。日本企業の隠蔽体質や粉飾決算は最低限の道徳を欠くもので、鴻海が出資を1000億円減額し、留任する計画だったシャープの経営陣の再編を宣言することにつながった。

日本の民族企業が台湾地区の資本に買収されることに対し、日本社会には不満の声もある。だが世界経済の発展の大勢を見れば、経済グローバル化の大きな波の中では、十分な革新を実現できなければ遅かれ早かれこうした結果に至ることは明らかだ。トヨタ自動車は30年前、北米やアジアに次々と工場を建て、それぞれの地区にあった産品の生産を始め、自らの主導的な地位を守った。足踏みを続けた日産やマツダは最終的に、米国のフォードやフランスのシトロエンの救済を受けることとなった。日産の社長は現在に至るまで、青い目、大きな鼻、高賃金のフランス人である。統計によると、外資による日本企業の買収額は2015年、5年前の2倍にのぼる1兆2240億円に達した。中でもアジア資本の対日買収額は5年前の4倍に達している。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年4月8日

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