ソウルのとあるマンションの地下にある“映画スタジオ”で、趙正氏と彼のチームは「鬼郷」の制作編集、宣伝等を行った。2002年から彼らは脚本、資金集め、撮影、配給先探しなどを行ってきた。最も困難だったことは何かとの質問に対し趙正氏は、「困難なことは何もなかった」と答える一方、「『鬼郷』が上映されたら、日本への入国を拒否されるか日本の右翼の攻撃対象になると、周囲の多くの人たちに警告されました」と明かす。
趙正氏は、自分たちだけでは撮影できないと悟った。2011年、ある大学教授が300万ウォンを支援してくれた。同氏はこの“大金”を使って資金募集のパンフレットを作り、この作品に対する思いを多くの人に知ってもらった。2016年1月19日、7万5270人が募金に応じ、12億ウォンの資金が集まった。
韓国映画振興委員会の統計によると、2016年2月24日に公開された「鬼郷」は、入場率が42.5%と大好評で、4月12日までにのべ358万2100人を動員。様々な映画記録を更新した。
この作品が認められたことは韓国の人々が慰安婦問題に対する関心が高まっていることの反映だと趙正氏は言う。「もともと韓国人の多くが、この問題を考えることが苦痛だったのです」。同氏によると、この作品を観た後で多くの韓国人が「私は彼ら被害者のことをよく考えたことがあったのか」、「彼らのために私ができることはなにか」と考えるようになったという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月26日