米CNNは28日、「オバマ大統領は訪日中、数千人の米国人が死亡した真珠湾奇襲について言及したか?共和党大統領候補のトランプ氏は同日ツイッターで、オバマ大統領が歴史的な広島訪問で、日本による真珠湾奇襲について言及しなかったことを疑問視した。ホワイトハウスはコメントを避けている」と報じた。
27日付ワシントン・ポストは、「外交政策アナリストは近年、米大統領の広島訪問を引き換えに、日本の首相の真珠湾訪問を実現できると推測していた。米日の外交官も幕裏で、この可能性について協議していた可能性がある。これは日本が1941年の真珠湾奇襲を謝罪する方法とされている。しかし近年、安倍政権は米国に対して、日本が米日首脳の訪問をセットにすることはないと明確に表明している」と伝えた。
安倍首相はオバマ大統領との会談後、真珠湾訪問に関する直近の意向を示した。28日付日本経済新聞によると、安倍首相は25日の記者会見で、「今のところハワイ訪問を計画していない」と述べた。安倍首相は、戦後70年の昨年、米国を訪問したことを強調した。
ワシントン・ポストは、「ホワイトハウスは米首脳の広島訪問と日本首脳の真珠湾訪問を、対等な行為とする印象を避けようとしている。しかしながらホワイトハウスは裏では、安倍首相による真珠湾訪問をはっきりと歓迎している。真珠湾奇襲75周年に関する活動は、現在準備が進められている。ホワイトハウスの高官は、安倍首相が真珠湾を訪問しなければ驚きだと述べた」と報じた。
毎日新聞は安倍首相の態度について、「首相は戦後70年の節目に米議会で演説し、真珠湾にも触れながら『悔悟』の念を表明した。この演説を踏まえ、昨年には戦後70年談話を発表、すでに戦後の総括は終わったとの認識を持っている。また、首相を支持してきた保守層の間には、東京裁判に疑念を持つ人が少なくない。首相が真珠湾を訪問すれば、日本が開戦に踏み切った経緯に再び焦点が当たる。『核兵器なき世界』を目指すとの未来志向のメッセージを打ち出しやすいオバマ氏の広島訪問に比べ、首相の真珠湾訪問は過去に立ち戻らざるを得ないため、政治的なリスクが高いと言える」と分析した。
これにより、オバマ大統領の広島訪問は、米国で批判を浴びている。CNNによると、共和党のペイリン氏は27日夜、オバマ大統領が「謝罪病」を起こしたと批判し、今回の訪問は米国の元兵士に対する不敬だと述べた。スタンフォード大学アジア太平洋研究センターの申起旭(シン・ギウク)所長はワシントン・ポストに対して、「米国は日本を信頼できる地政学的同盟国に変えたが、日本が毅然たる態度で歴史の恨みを修復することを促せなかった。これは逆に、米日同盟を弱体化させるだろう」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年5月30日