「中国に来るまで、ぬるい牛乳を飲んだことがない」と、交換留学で中国に1年留学した日本の女子大生・倉理歩さんは取材に対して語る。帰国して就職し、数年経った今も、倉さんは中国のスーパーに並ぶ、たくさんの種類の牛乳を覚えている。第一財経が伝えた。
食品の安全管理体制が整い、食品の種類の多さで知られる日本であるにもかかわらず、なぜ中国に来た日本人は、乳製品の種類は中国のほうが多いと感じるのだろうと不思議に思うかもしれない。「牛乳大国」で知られる日本のスーパーやコンビニを取材してみると、乳製品の種類は中国のスーパーなどに遠く及ばなかった。中国のスーパーでは、幾つもの冷蔵コーナーに牛乳やヨーグルトが陳列されているほか、常温の棚にも常温保存可能な牛乳や輸入の牛乳などが所せましと並んでいる。
東京都内のスーパーの冷蔵コーナーに並ぶ乳製品
日本はなぜ常温保存の牛乳が少ないのか
日本では食品や栄養に対する十分の知識を日本人が身につけるための栄養教諭制度が2005年から実施されている。低温殺菌牛乳の提供も同制度に盛り込まれている。
この制度の実施もあり、倉さんは子供のころから乳製品に接し、それらは全て低温で保存された製品。知らず知らずのうちに、乳製品に対する認識、選択する際の基準が形成された。実際には、日本人は、多くの中国人と同じで、低温保存の牛乳と常温保存の牛乳にどれほどの差があるかは知らない。
日本の市場を取材する過程で、牛乳やヨーグルトなどの乳製品は通常、冷蔵保存され、常温の棚には陳列されてはいないことが分かった。乳飲料であっても、冷蔵保存されている。この種の商品は、10度以下の環境で保存するよう表示されており、賞味期限も通常1カ月以内と、厳しい決まりがある。
日本の乳製品市場の構造は、常温で大量の乳製品を陳列し、輸入の常温保存の牛乳が日に日に激増する中国とは大きな違いがある。