日中青年交流協会の職員がスパイ活動に従事していた疑いで、中国で拘束されたことが注目されている。実際には2015年春から現在まで、少なくとも日本の5人のスパイが中国で捕まっている。冷戦を終えた現在、これは少ない人数ではない。専門的な独立した情報部門を持たない日本は、どのようにしてスパイ活動を行っているのだろうか?
日本の情報収集活動は6−7部門に分散している。これは主に国家安全保障局、内閣情報調査室、軍事偵察機関、外務省国際情報局、警察庁情報通信局、警視庁公安部、法務省公安調査庁、軍事反偵察機関、移民庁、海上保安庁などだ。国家安全保障局は2014年に設立された「国家安全保障会議」の事務局で、関連する各部門の協調を主な職責とする。内閣情報調査室は主に国内外の政治・軍事・経済・文化・治安などの情報収集と総合分析、および米国のアジアにおける情報活動の支援だ。防衛庁情報本部は主に軍事・政治・社会・経済・科学技術などの戦略的な情報の収集と研究、周辺諸国の状況の分析、通信電波の遮断を行う。公安調査庁は主に国内の過激派の監視、反スパイ情報の収集を行う。外務省国際情報局は主に国際情報の収集・分析・処理・伝達を行う。
日本の情報システムは往々にして官民一体の形式を取る。関連情報活動を企業や民間人に委託し、特に九大商社および海外で事業展開する中小企業を重視する。中国は90年代により、中国で地理測量活動を実施する外国の諜報員を捕まえているが、その多くが日本の中小企業の職員だった。彼らは往々にして企業活動の名義により、中国の軍事目標を測量し、帰国後に関連資料・データを日本の情報部門に提供する。
日本の情報部門は情報収集の際に、合法・違法の手段を同時に使う。周知の通り、大使館の武官は駐在国の軍事情報収集という重要任務を担うが、その手段は駐在国の法律に違反してはならない。しかしながら日本の武官は頻繁にこの制限を無視し、許可なく中国軍事基地の内部や周辺で情報を収集している。日本の天野寛雅・北京駐在武官は2002年10月26日、寧波市の軍事管制区で情報収集中、中国関連部門に見つかり逮捕された。
日本の情報部門はさらに、中国に長期滞在している民間人や中国通をよく利用し、彼らのコネを使い情報を集める。日台経済人協会理事長の阿尾博政は、経済学者として中国に37年間潜伏し、日本の軍事・政治などの情報部門に軍事・政治・文化など大量の機密情報を提供した。
中国で日本のスパイ活動が次々と明るみに出ており、中国を現実的かつ潜在的な敵国として見ているという重要な政策的傾向を示している。我々はこれに警戒を強める必要がある。しかし我々はこれを気に病むべきではなく、日本との各レベルの交流を継続するべきだ。交流により日本の民間および政府の関係者に影響を及ぼし、中国文化および中国政府の歴史・釣魚島などの問題における歴史的・法的根拠を理解させ、中日関係の好転に向け人心の基礎を固めるべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年8月3日