張さんはキッコーマンの若い社員と交流した際、社員達が企業に示す「変わらぬ」忠誠心や企業と従業員との和やかな関係性に多くのことを学んだという。中国の人材サイト・英才網聯と教育サイト・騰訊教育が2012年に発表した調査データをみると、中国の若い大卒者で初めて就いた仕事を1年以内にやめた人は47%に上り、3年以上続いた人は18%にとどまった。こうした現象は日本企業の「終身雇用」の企業文化と鮮明な対照を成すことは明らかだ。
キッコーマンの根幹となる事業の伝承には「8家の共同統治」という大きな特徴がある。8つの家があるが、優れた人物でなければ入社できない。8家はライバルでもあり、それぞれが後継者の教育に熱心になるのは当然のことだ。現在の堀切社長も初めは営業販売職を担当し、市場開発、製造などさまざまな現場を経て、40年以上かけて現在の地位にたどり着いた。