しかしながら、安全メカニズムの構築にせよ自由貿易区の交渉の進展にせよ、各国が政治的相互信頼を構築した上で十分な誠意を見せ、着実に行動していく必要がある。中国人は「巧言令色鮮なし仁」を深く理解しており、言ったことを守らない背信・背徳行為を目にしてきた。聞こえの良い言葉を言うだけで、問題を解決することは出来ない。そのため中国は今回の外相会議で自国の原則的な立場を何度も強調し、歴史認識問題と海洋係争の解決について、誠意に如くは無しという理を日本に説いた。
中日関係が難航し、つまずきながら今日に至る主な理由は、日本の政治家が過去の歴史を正確に認識しておらず、隣国を敵視する古い考えを捨てていないことだ。そのため首脳会談など重大なチャンスが来る度に、苦しい時の神頼みとばかりに、調整のため中国に人員を派遣する。さらに事前に約束していたくせに、後になりそんなことはなかったと否定する茶番を繰り返している。
中国は現在、ホスト国としてG20サミットの開催を待っている。日本が先に聞こえの良い約束をし、サミット出席の「入場券」と首脳会談の「招待券」を手にした後、前言撤回することはあるだろうか?G20のテーマは世界経済ガバナンスだ。日本のこれまでの動きを見ると、場違いにも南中国海・東中国海問題を持ち出し、会議の邪魔をする可能性もあるようだ。そのためG20サミットに出席する日本の客人には、次のことを注意しておかなければならない。東アジアの客の礼儀は、ホストの意向に沿うことだ。つまりサミットの基調に合わせ、別の件で事を構えないということだ。もしそうすれば、ホストと他の客人が対抗するのも理にかなう。日本の指導者には自愛と自省が必要だ。(高洪:中国社会科学院日本研究所代理所長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月26日