アジア太平洋経済協力(APEC)は、アジア太平洋地域で最も影響力を持つ経済協力フォーラムだ。今年的のAPEC首脳会議は19日から20日まで太平洋の向こう岸のペルー・リマで行われる。会議の主要な見どころは、アジア太平洋自由貿易圏に新たな進展があるかということだ。
アジア太平洋自由貿易圏の構想は、アジア太平洋の商工業界の人々の呼びかけによって始まった。商工業界の提案からAPECのビジョン、さらには各エコノミーの共同での行動まで、アジア太平洋自由貿易圏の夢を追う歩みはすでに10年以上にわたって続けられている。我々はなぜ現在、アジア太平洋自由貿易圏をこれほどまでに必要としているのか?
アジア太平洋自由貿易圏は貿易・投資と地域経済一体化を促す強心剤
現在、世界経済の回復は原動力に乏しく、グローバル化の進展は挫折に遭遇し、貿易・投資は低迷している。世界貿易機関の推計によると、今年の世界の貿易成長率は5年連続の低下となり、1980年代以来で最もひどい時期に入っている。アジア太平洋は、世界で経済が最も活力と潜在力を持った地域であり、世界の貿易・投資の回復を引っ張るという巨大な任務を負っている。さらに地域経済の一体化を維持するという強力なシグナルを世界に発する必要に迫られている。研究報告によると、アジア太平洋自由貿易圏が建設されれば、2025年には、APECのメンバーに2兆ドルの経済收益がもたらされることとなる。その規模は、既存のあらゆる地域自由貿易をも上回っている。アジア太平洋自由貿易圏は、貿易投資自由化の重要な駆動力を統合・促進し、アジア太平洋がより幅広く深いレベルの地域経済一体化へと向かうのに堅固な土台を築くものとなる。