2014年には、中国中央テレビ(CCTV)の消費者権益保護番組「3.15晩会」で、ニコンの一眼レフ「D600」で、画像に黒い粒が入る問題が暴露された。同機種はその後、全国で販売中止を余儀なくされた。品質問題が起こった後のニコンの対応もまずかった。米国の消費者は、無料で直接、新機種に交換することができた。欧州の一部のユーザーは、問題のある「D600」をサービスセンターに送ってダストを除去した後、さらに新品の「D610」を受け取ったという。フランスでは、問題のある「D600」を新品の「D610」に換えるのにわずかな費用しかかからなかった。だが中国では、問題のある「D600」に当たってしまったユーザーがこうした待遇を受けることはなかった。これは、ニコンが長年にわたって積み上げてきたブランドの評判を大きく損なうこととなった。
消費調査機構「ZDC」の発表した2016年上半期の中国のデジタルカメラ市場研究報告によると、上半期のデジタルカメラブランドへの注目度では、キヤノンが39.7%でトップ、ニコンが25%で2位、ソニーが13.2%で3位だった。洪仕斌氏によると、ニーズ全体が縮小し、利潤が低下する中、ニコンにとっては、将来の業務転換の選択がきわめて重要となる。光学技術での蓄積のあるニコンは、高級摂影器材の分野で競争力を保持しており、同社の業務転換に一定の保障を与えている。差し迫った問題は、産品の品質問題をいかに処理するかということだ。
100年の歴史を持つニコンにとって、現在は重要な転換期と言える。それには新旧の業務をバランスよく発展させることがカギとなる。さもなければ買収されたシャープと同じ道を歩むことになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月14日