白熱した戦いが展開された米大統領選が終了し、トランプ氏が意外にもヒラリー氏を打ち負かし、次期米大統領に選出された。ヒラリー氏側に立っていた日本の安倍晋三首相は、即座にトランプ氏に好意的な姿勢を示し、当日夜間に祝辞を送り、翌日早朝には電話で17日に会談することを決めた。これらは20時間内に実行されたことであり、まさに「行雲流水」だ。
日本の首相が次期米大統領の就任前に、慌ただしく会談にこぎつけるのは稀だ。日本メディアは、大統領選の結果が予想外であったため、安倍政権はトランプ陣営との人脈を持たないと分析している。米国の対日政策に変化が生じる可能性を受け、安倍首相はトランプ氏と直接接触し、日米同盟関係を確認することで、政権内部の不安を解消しなければならない。
荻生田光一内閣官房副長官は、安倍首相が次期米大統領の就任前に会談するのは、珍しいケースだと述べた。情報によると、ヒラリー氏が当選していれば、安倍首相は早ければ来年2月下旬にも訪米する予定だったという。
トランプ氏が当選し、なぜ安倍首相は居ても立ってもいられず、これほど早急に会談を求めたのだろうか?これは日本政府が米国の大統領選の判断を誤り、安倍首相にとってショックだったからだ。
中国在住の日本若手学者、遼寧大学国際関係客員教授の加藤嘉一氏は「今回の日本の世論、特にエリート層は、何があってもトランプ氏が当選することはないと判断していた。日本政府も民主党の大統領候補、ヒラリー氏が優勢と考えていた」と述べた。
安倍首相は9月にニューヨークの国連総会に出席した際に、ヒラリー氏のみと会談し、トランプ氏と接触していなかった。共同通信によると、安倍首相は招待に応じヒラリー氏と会談したが、これは「トランプ軽視」と判断される可能性がある。
トランプ氏が当選後、安倍首相は判断ミスを補うため、祝辞の中で美辞麗句を並べ立てた。「類いまれなる能力によりビジネスで大きな成功を収め、米国経済に多大な貢献をしただけでなく、強いリーダーとして米国を導こうとしている」この表現がどれほどトランプ氏を感動させたかは不明だが。
トランプ氏といかにコミュニケーションをとるかが、安倍外交の当面の急務になっている。これまでの判断ミス、それからトランプ氏にほぼ政治の経験がないことから、安倍政権内ではトランプ陣営と連絡を取れる「人脈」が極度に不足している。自民党選挙対策委員長の古屋圭司氏は「いかに人脈を築くか、トランプ陣営といかに信頼関係を構築するかが重要だ」と述べた。
安倍首相が訪米しトランプ氏と会談するのは、いわゆる「コネ」を作り今後の意思疎通に役立てるためだ。また米国に対して、日米同盟の重要性と、日本のこれまでの努力について説明することで、相互信頼関係を深める。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月14日