最終版は「微修正案」か
改憲勢力の改憲に関する基本的な立場と中心的な主張を見ると、最終的にすべての改憲勢力が賛成し、強い反発を招かない改憲案を形成するのは、容易なことではない。
改憲勢力の主張はさまざまだ。自民党は全面的な改憲(憲法の条文の改定、削除、新条項の追加など)を目指している。公明党は現行の憲法を踏まえた上で、新条項を追加することを主張している。大阪維新の会は憲法を、国家権力を束縛する根本法から、「統治用の道具」に格下げすることで、統治機構改革の延長線上に置くことを主張している。
改憲勢力が最終的に共通認識を形成し、野党からの強い反発を招かない「改憲案」、「緊急事態」などの新条項の追加を中心とする「微修正案」の実質は、「試験的改憲」あるいは「技術的改憲」だ。
日本で現在進められている改憲の議論、あるいは改憲の道筋は、すでに中心的な議題から乖離しており、別の切り口からの進展を試みている。メディアと国民から理解されやすい新条項を追加するという形式や道筋により、改憲の目的を達成しようとしているのだ。(筆者:張伯玉 中国社会科学院日本研究所研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月26日