開発に積極的なのは日本
世界の温暖化の継続する中、北極の温度は上昇を続け、海氷は毎年減っている。北極地区の開発価値はこれによって大幅に高まっており、北極の戦略的な地位と資源価値に対する各国の関心も強まっている。
「非北極国」の中で北極開発に最も積極的なのは日本だ。日本は20世紀初めにすでに北極にかかわり始めていたが、北極をめぐる争いでは後発者である。日本は天然資源が不足しており、北極を重んじるのは当然と言える。2013年5月、日本と中韓はともに、北極評議会の常任オブザーバーとなり、会議に出席して本国の北極戦略を推進できるようになった。
日本は、一方では北極の主権体制への挑戦を回避しながら、もう一方では北極におけるプレゼンスの拡大をはかっている。例えば北極国と二国間会談を頻繁に行い、相互関係を強化し、北極評議会での影響力を高めようとしている。とりわけロシアとの関係強化は、中国に対抗する際に支持を取り付けることがねらいだ。