無印良品ブランドにとって重要な海外市場である中国では、“高級衣料店”のイメージから本来のポジションである“雑貨店”に回帰しつつある。北京商報の記者の調べによると、無印良品が中国市場に進出して11年が経つが、すでに5回の値下げがあり、トータルで10~20%の値下げをしている。無印良品によれば、これらの値下げは検査工程、包装の簡素化、物流の改善によって実現させたのだという。値下げを通じ、より多くの顧客に無印良品の商品を買ってほしいという狙いがある。無印良品は、中国生産の商品を日本に輸出し、さらに中国に輸入することでかかる物流コストをカットした。値下げによって顧客対象を広げるという意図は明確だ。
無印良品にとって大中華市場はすでに全体の売上アップに欠かせない存在になっている。良品計画が4月に発表したデータによると、中国大陸、台湾、香港など東アジア地域での成長は際立っており、総売上高は830億円と、50%近い増加率となっている。
うち中国大陸の売上増加が顕著で、衣料や化粧品がとりわけ高い伸びを見せている。食品の売上高も増加している。売上高から見れば、東アジア事業の6割を中国市場が貢献している。また中国の店舗数も160軒に達している。
たとえ5回の値下げがあっても、多くの消費者にとって無印良品の中国での価格設定は依然として「高すぎる」。ここ数年、無印良品は中国市場開拓の足を速めている。無印良品は日々拡大する中国の中間層と共に、ブランドが訴えるライフスタイルを広めていきたいと考えている。小田急電鉄と提携した無印良品の店舗が来年、北京にオープンする。無印良品の書店やカフェは、中国の南部都市ではすでに多くの店舗がオープンしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月4日