1300キロの距離を飛んでやって来た多くの日本人が、兎澤和広に会って、決まってするリクエストがある。南京大虐殺記念館に連れて行ってくれないかというのだ。
「あの時期の歴史を中国人がどう見ているのか、日本人としても興味をそそられる場所だ」と彼は言う。もっとも南京を怖がっている友人もいるという。
兎澤はここ10年、付き添いで何度も記念館を訪れて来た。記念館を離れる時にはきまって、「平和の女神」の像の前で記念撮影をする。
南京大虐殺記念館の外国人参観者は長年にわたって、日本人が最も多かった。
ある日本の民間団体は31年間連続で記念館を訪れ続けている。日本人参観者の多くは、髪も白くなった60代から70代の老人で、戦争を体験したという人も少なくない。最初は先輩格の年長者が後輩を連れてやって来ていたが、先輩格の方はもう亡くなって、かつての後輩が先輩と同じくらいの年になっても記念館を訪れている。
南京大虐殺記念館の職員を勤める芦鵬によると、記念館を訪れる日本人のうち、「50代から60代は若い方で、ほとんどは70代から80代」だという。
これに比べると、国内参観者の平均年齢はこれよりもずっと低い。2016年、記念館が5500人の参観者を対象に行った調査によると、中国人参観者の平均年齢は28歳で、30歳以下が71%、大学以上の学歴を持つ人が73%だった。
ある時、日本の著名漫画家らが南京にやって来て、犠牲者の記念活動に参加した。記念館の職員に言うには、「包帯を巻いてきた」のだという。南京に来るからには、「石くらい投げつけられる覚悟」はしているという。だが活動の間、石がぶつけられることはとうとうなかった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月3日