フィリピンメディアの報道によると、フィリピン国防省は14日、日本がフィリピンに対し、日増しに深刻化する現地の海賊活動への対応でフィリピンを支援するため、フィリピン南部の海域に巡視船を派遣することを提案したと語った。
フィリピン紙『マニラタイムズ』のウェブサイトの14日の報道によると、日本防衛省の真部朗・防衛審議官は10日、東京で開かれたフィリピン・日本防衛次官級会合で上記のように提案した。真部氏は、フィリピンとインドネシア、マレーシアの協力による海賊・テロ取締活動に日本は貢献したいと考えていると語ったとされる。だが『ジャパントゥデイ』は、日本防衛省の高官の話として、日本は巡視船のフィリピンへの派遣は表明しておらず、フィリピンの能力構築を支援すると言っただけだとの立場を伝えている。これによると、日本とフィリピンは昨年秋、フィリピンのテロ対策のために日本が高速艇を提供することで合意していた。
フィリピンは今年、ASEANの輪番議長国である。報道によると、真部氏はこの会合でさらに、日本がフィリピンを後押しすることを確約し、ASEAN加盟国との防衛協力を強化したいとの日本の立場を重ねて言明した。真部氏は、日本が、防衛装備の移転などを通じて、フィリピンとさらに立ち入った防衛協力を行いたいと考えていると語った。さらにフィリピンに対し、海賊取り締まりへの協力にはどうすればいいか日本側に教えて欲しいと求めた。会合の始まる前、日本側は、日本が取得した南中国海の最新状況をフィリピンの代表団に特に紹介し、日本は今後もフィリピンと最新情報を共有し、特に「南中国海域における違法状況」を伝えていくとフィリピン側に確約した。
またシンガポール紙『ザ・ストレーツ・タイムズ』の14日の報道によると、日本は現在、タイへの武器や関連技術の移転の枠組みを策定している。第2次大戦後に日本・タイ間で結ばれる最も重要な軍事協力合意となる可能性もある。
フィリピンの放送局「ABS-CBN」のウェブサイトによると、フィリピンはこれまで、米国との緊密な軍事協力を保ってきたが、これからは、日本と安全面での結びつきを強めると同時に、中国やロシアとの協力の強化も求め、防衛関係の多元化をはかっていく方針だという。フィリピンのドゥテルテ大統領は1月、フィリピンの武装組織「アブ・サヤフ」の海賊活動の取り締まりを支援するため、中国が船舶を派遣することを提案している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月17日