日産自動車のCEOを退任した後、カルロス・ゴーンは、三菱とルノー、連合全体の発展に目を向けることになる。ゴーンはこの人事異動について、「連合の運営や進化、拡張、戦略により多くの時間と労力をかけ、連合の持つ規模による競争優位性をパートナー各社に享受させることができる」と語っている。さらなる前進のためにいったん退却するというこの構えは、ゴーンの「世界一」に向けた野望を示している。
三菱を買収して世界4位の自動車グループになってから、ルノー・日産連合の動向には注目が集まり続けている。ルノー・日産連合の取締役会長兼CEOのゴーンはこのほど、「退却による前進」というやり方を通じて、「連合をさらに大きく発展させ、世界一に向けて進撃する」との意欲をはっきりと見せた。日産自動車の発表によると、最新の業務計画を完了し、ルノー・日産連合を新たな高みに押し上げたゴーンは、日産自動車のCEOを4月1日に正式に退任し、共同CEOの西川廣人氏が後任となる。
ゴーンの日産CEO退任
2016年の日産自動車の世界での累計自動車販売代数は555万9千台で、前年から2.5%増えた。このうち米国市場と中国市場での売り上げはそれぞれ5.4%と8.4%高まった。ゴーンは、自らの立てた多くの目標をほぼ達成しているが、カギとなる目標はまだ達成されていない。米国の市場シェアを10%に高めることもできていないし、世界8%の市場シェアという目標も達していない。また日産は、営業利益率8%の目標も達成できない見通しだ。
中期経営計画「パワー88」がまもなく期限を迎えようとする中、ゴーンの正式な退任が決まった。広報責任者のジョナサン・アダシェク氏によると、日産CEO後任の西川氏が中期ロードマップを策定し、年内に発表する。だがゴーンは日産CEOのポストを離れても、日産に対する監督管理をしなくなるわけではない。ゴーンはある声明で、日産の会長として、「ルノー・日産・三菱連合の枠組みの中で監督と指導を行っていく」としている。