米国の教科書への慰安婦の記述を推進
米国の都市に慰安婦記念碑が設立されるのはサンフランシスコが初めてではない。サンフランシスコでの戦いがこれほどヒートアップしたのは、慰安婦の記念碑や記念像のある全米のほかの場所がいずれも小さい都市だからだ。日本側をとりわけ悩ませたのは、サンフランシスコの記念碑が、市中心部に近いセント・メリーズ・スクエアに建てられることになったことだ。サンフランシスコには日系住民が多く、毎年の「桜フェスティバル」は、日本文化を祝うイベントとなっている。
大阪の吉村洋文市長は2月1日、サンフランシスコの李孟賢市長に宛てた手紙の中で、この点について指摘している。サンフランシスコには大量の日本人と日系人が暮らしており、毎年多くの日本人観光客が訪れる。「両市の交流にネガティブな影響をもたらし、両国の交流にも影響を与えるのではないかと心配している」。
ある情報によると、日本政府は、反慰安婦のロビー活動に1億円を投じたという。事実を確かめるのは困難だが、日本政府の影は常にあった。台湾地区から米国を訪れている学者の徐綽は、しばらく前に発表した文章の中でこんなエピソードを紹介している。昨年12月、慰安婦をテーマとした台湾地区初の記念館が開館した際、カリフォルニアの韓国系アメリカ人フォーラム代表のフィリス・キムと日本籍の韓国系学者の絹川知美がやって来た。キムによると、米国初の慰安婦記念碑は2010年、ニュージャージー州のパラセイズ・パーク市に設立された。日本は2年後、正式な代表を2人、現地に派遣し、記念碑の撤去を要求した。だがこの要求は拒否されたばかりか、米国各地の韓国系住民を怒らせ、同様の試みが各地でなされるようになった。
フィリス・キムが住むグレンデール市にも2013年、慰安婦像が建てられ、翌年にはミシガン州のサウスフィールド市にも同様の像が建てられた。日本政府にそそのかされたカリフォルニア州南部の右派団体がグレンデール市政府を告訴したが、裁判所に却下された。さらに上級裁判所に控訴したが、再び却下された。この団体は豊かな資金を持っているようで、カリフォルニア州最高裁への上訴を試みたが、最高裁は受理しなかった。
馬兆光と郭麗蓮、鄧孟詩は取材の最後に、『環球時報』記者に対し、今後は慰安婦についての内容を教科書に盛り込む活動を推進していくとの意欲を語った。「慰安婦正義連盟」はカリフォルニア州での慰安婦の教科書入りを推進しており、目下、サンフランシスコの学校での取り組みを進めている。サンフランシスコ市の努力と州による推進を通じて、最終的には、全米の学校の教科書に慰安婦に関する内容を盛り込むことが彼らの願いだ。人々に真相を知らせることができると同時に、米国でより多くの慰安婦記念碑の建造を推進することにもなる。こうした努力はしかし、エミリーのような人の妨害にも遭っている。戦いはまだ続いている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月12日