「トランプ政権に対しては、外交政策アナリストらは、真面目に観察・追跡すべきおかしな事件に事欠かないが、新たに発生したこの事件はとりわけ危険で、頭痛をもたらすものだ」。日本に拠点を置く英字ニュースサイト『ディプロマット』は19日、(トランプ政権の行っていることは)抑止効果をもたらす正しい行為であると言えないどころか、遠慮なく言えば、トランプ政権が「無敵艦隊」の行方を知らなかったということは一種の「無能」をも暴露するものとなった。こうした「無能」に加えて、トランプが武力使用の敷居を下げていることには心配も広がっており、米国の同盟国にとっての不安の種となっている。米国のライバル国は同時に、トランプ政権が発するシグナルを真面目に受け取るべきかを検討し始めている。
このような分析は早々に確かめられることとなった。「トランプは全世界を騙しているのだろうか?」 韓国のニューシス通信社は19日、世界各地のメディアとインターネットには「カール・ビンソン」号事件をめぐって皮肉の声が沸き起こったと伝えた。韓国与党・自由韓国党の大統領候補の洪准杓(ホン・ジュンピョ)氏は、トランプはこれまでに、韓国の安全は非常に重要だと明言しているが、空母「カール・ビンソン」の位置について偽っていたとの情報が事実ならば、トランプが任期中に何を言おうと、韓国は真面目には取らないだろうと述べた。
「米国の空母問題での虚言は理解しがたい」。『ハンギョレ』は19日の社説で、米国政府がわざと嘘をついたのだとすれば、米国に対する外部の信頼を低める行為になると論じた。同盟国である韓国に米国が取るべき態度とも言えない。もしも米国政府内部の情報伝達に問題があるなら、トランプの施政能力に対する外部の不安を高めるものとなる。