トランプが大統領選で反中の発言を繰り返していたことは、最近の米中関係の新たな発展(「例外なく最も重要な二国間関係」)とは対照的で、まるで夢だったかのようである。シンガポール紙『ストレーツ・タイムズ』が伝えた。
メディアの最新報道によると、ホワイトハウスは、米中が達成した貿易協定を評価している。こうした協力ムードの下、ワシントンは、「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)サミットへの参加にハイレベルの代表団を派遣した。トランプによる米国のインフラ再建計画に中国が参加し、米国もアジアインフラ投資銀行(AIIB)のメンバーになるとの噂もある。米国と中国の間にはこれまで、筆者を含む多くの人が予言したような貿易戦は出現しておらず、貿易面ではむしろ熱愛といった状況である。目下の状況は間違いなく、興味深く積極的なものと言える。
状況は悪化する可能性もあり、「乾杯」を始めるのはまだ時期尚早である。だが現在の流れは、筆者が強調して来た観点を裏付けるものとなっている。日本が世界、とりわけ周辺地区からズレ始めているという観点だ。
第2次世界大戦で敗戦した日本は、米国の一番の敵から一番のお気に入りに変わった。だが日本は1995年以降、坂を下り始め、経済はますます強まるデフレの中で停滞している。中国のGDPはすでに日本を超えている。
日本はかつて中国を侵略した。多くの日本人は中国を軽視し、日本が中国で犯したさまざまな人類に対する罪を認める必要はなく、謝罪など論外だと考えている。安倍首相は就任後、ワシントンにすりよって、米国の力で中国を押さえ込もうとして来た。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を強力に推し進める一方、北京が主導するAIIBには米国に追随して参加せず、アジアの主要エコノミーで唯一の非参加国となった。真珠湾は訪問したが、南京に行くことは拒絶した。トランプが大統領に当選すると、安倍首相は外国の首脳としていち早く挨拶に訪れた。暖かい風の吹くマー・ア・ラゴにも足を運んだ。中国を攻撃するトランプの弁舌は、安倍首相の耳には心地よい音楽に聞こえたことだろう。
だが風向きは変わった。その変化は唐突で、予想外で、激しいものだった。中米両国が二国間貿易協定を締結し、「一帯一路」サミットに米国が参加するなど、中国と米国の指導者の間の好感は深まっている。東京はそんな中、捨てられた愛人のように、何もかもなくしてふさぎこんだ様子をしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月21日