ロシアは海をはさみ12カ国と隣接しているが、そのすべてがロシアに対して友好的なわけではない。米国は現在もロシアを軍事的・政治的にけん制している。日本はロシアに占領された、択捉、国後、歯舞、色丹の4島(日本名・北方四島)に目を光らせている。そのためロシアが極東の防衛を強化するのは、非常に合理的に見える。ロシアは2015年より統一的な沿岸防御システムの構築を開始した。同システムはクリル諸島とベーリング海峡を制御し、海軍進出ルートを守り、海軍の戦略核兵器の能力を高める上で不可欠だ。鉄のようなクリル諸島防御ラインの構築は、非常に効果的だ。
クリル諸島で新たな部隊が創設され、現代的なインフラの建造が続いている。ロシアは国後島で最新型の地対艦ミサイル「バル」を、択捉島には地対艦ミサイル「バスチオン」を配備した。この2島にはさらに、機関銃・砲兵師団が駐留した。国防省はカムチャツカに初の「バスチオン」部隊を配備し、さらに2018年にはチュクチ方面に新たな沿岸防衛師団を配備する予定だ。
大規模な軍事建設には十分な理由があり、日本のビジネスニュースサイトも「米海軍のオホーツク海での活動を放置すれば、ロシア全体の国防戦略の根幹が損なわれる。またロシアは北方の航路開発を急いでおり、クリル諸島沖の軍事インフラの強化が必要になっている」と認めている。
オホーツク海は現在、地対艦ミサイルによって守られている。新型ミサイルは、サンフランシスコやオハイオなどの州の核兵器基地から4000海里離れた場で、戦略原潜が戦闘巡航を行う接近阻止・領域拒否エリアを構築するため役立てられる。
クリル諸島とカムチャツカは、ロシアの堅固な海の砦になるべきだ。小さなマトゥア島はこの目標を実現する上で、重要な意義を持っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月12日