日本人の人知れない情報収集③日本侵略への人類学者の「貢献」

日本人の人知れない情報収集③日本侵略への人類学者の「貢献」。 あまり知られていないが、日本の社会学や人類学の研究はとても進んでいる。ただ言語の壁があることで、外国では知られていない。こうした学科の基礎研究の方法は、大量の社会資料の観察と収集である…

タグ: スパイ 情報 収集 歴史 民族学

発信時間: 2017-06-27 11:37:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

「日本人が中国でのスパイ活動を理由に拘束された」。そんなニュースが相次いだことを受け、日本政府は一週間ほど前、中国での拘束を回避するための注意事項を国民に向けて発表した。これには、行ってはいけないところや、撮影をしてはいけないところが詳しく説明されている。ちょっと聞くとものものしいことが起こっている印象だが、「情報社会」や「情報民族」などと日本が呼ばれていることを考えれば驚くには値しない。

日本人の情報に対する敏感さやそれへの依存、収集活動の周到さは海外でも知られている。1960年代に日本が公開情報だけで中国の大慶油田の位置や規模を正確に判断していたという話を思い出す人も多いだろう。中国は日本の巨大な隣国であり、情報収集の主要ターゲットになるのは当然だ。日本の学界にとって中国研究は「宿命」とさえ言われる。だが情報の収集と分析に長けていれば、正しい判断と政策決定が可能だと言えるのか。日本はこの点で手痛い教訓を得ているが、この問題は依然、日本が中国に向かい合う時に考えるべき問題となっている。

①しきりに解剖台に乗せられてきた「中国」

②中国人との交渉術の教授本がベストセラーに

③日本の侵略には人類学者が大きく「貢献」

あまり知られていないが、日本の社会学や人類学の研究はとても進んでいる。ただ言語の壁があることで、外国では知られていない。こうした学科の基礎研究の方法は、大量の社会資料の観察と収集である。人類学と情報活動は歴史的に密切な関係を持っている。日本が中国侵略前に拠り所とした多くの資料、とりわけ東北地方の詳しい資料はいずれも、人類学と民族学の学者が作ったものだった。

裏付けの取れた資料によると、偽「満州国」時代、日本人は、重要な政治・軍事的ポジションにある大・小興安嶺周辺で大量の調査研究を行った。これらの調査では、軍部や治安部の協力・支援を広く受け、現地の民族・社会の状况をめぐり、広範囲の初期調査と具体的な事項に特化した細かい調査が展開された。日本人学者の永田珍馨は1938年12月、偽「満州国」治安部が当時のエルグネ左旗で実施した調査に参加した。永田はその後、本来は各民族の状况を調査したかったが、関東軍の対ソ連戦略のニーズのため、大・小興安嶺のオロチョン人に対する調査だけを特に行わなければならなかったと回想している。1943年から1944年まで黒河と呼瑪河の調査に入った日本人学者の原忠平の回想によると、日本軍はかつて、オロチョン人だけのいるような地域を作って集中管理を行おうとしていた。

当時の日本の人類学や民族学の研究者は、欧米の研究チームから伝わった協力式のフィールドワークの方法の優位性を十分に発揮し、この時期の中国東北地方の民族・社会の最も基礎的で最も全面的なデータを獲得した。調査報告では、氏族の起源や分布、環境、人口・体質、居住、飲食、生計、嗜好、性格、言語、教育、民俗、宗教、家庭関係、社会組織・階層、武器・火器などについて非常に精確な記述がなされ、人物の描写も生き生きとなされている。

現在、これらの調査資料のうち、中国にかかわる部分は、「満鉄」図書館を前進とする大連市図書館や吉林省図書館、黒竜江省図書館などに集中している。当時、調査に参加した研究員の一部は後に、今西錦司や梅棹忠夫、泉靖一など、日本の著名な人類学者となった。当時の調査資料に基づいて形成された学術成果としては、堀内竹次郎の『オロチョン人との接触』(1929)や浅川四郎の『興安嶺の王者:オロチョンへの理解』(1941)などがあり、今でも国内の関連研究分野における重要な参考文献となっている。

特筆すべきなのは、1960年代末、日本経済の急成長を受け、日本企業が海外市場を急速に拡張し、各種の海外研究経費が大きく増やされ、日本の人類学者が世界各地の調査と研究を始めたということだ。中国の改革開放後、多くの日本人学者が、中国に来てフィールドワークをする機会を得るようになった。「満鉄」の資料を土台として再び中国を訪れて研究するものが中心で、中国南西部の民族に対する調査と研究を行う日本人学者もいた。

人類学研究は基本的に、異文化の日常生活に対する観察と記述を特徴とする。これは通常の学術研究だが、広範囲にまたは大規模に、組織的に情報が収集されるようになれば注意が必要だ。政治がこれらの資料を必要とするようになると、情報は意義と価値を持つようになる。

④日本人学者:中国研究は「宿命」

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月27日

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